フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
宇野昌磨、フランス杯8位で涙。
「やはりコーチがいた方がいいのか」
posted2019/11/05 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Joosep Martinson - ISU/Getty Images
11月1日から、フランスのグルノーブルでGP大会第3試合目、フランス杯が開催された。
男子は、ネイサン・チェンと宇野昌磨がタイトルを競う合うことになると誰もが予想していたこの大会。チェンが優勝してGPファイナル進出を決めたことはそれほど驚きではないが、宇野が8位に終わるというショッキングな結果となった。
「自分のメンタルに飲まれてしまった」
SP『Great Sprit』は、エキジビションで滑っていたシェイニリーン・ボーン振付の作品を競技用にアレンジしたプログラムである。
出だしの4フリップはきれいに着氷したが、次の4トウループ、そして3アクセルも転倒という、大きなジャンプミスが2つも出てしまった。79.05で4位スタートになった。
「どうしても自分が最後まで滑りきれるイメージが全く湧いていなくて、簡単に言うと弱気になっていたところがあるかなと思います。トウループの失敗はまだしも、アクセルの失敗、あれはもう、跳ぶ前に完全に自分のメンタルに飲まれてしまった」
演技後、宇野は報道陣の前に出てきてそう自分の演技を振り返った。
練習で4フリップが不調になり、その理由がわからないまま悩みながらここに来た。それでもフリップを何とか降りたのは、本田武史コーチにアドバイスをもらったおかげかもしれない、と分析する。
だが4トウループと、安定していた3アクセルまで、転倒してしまった。
「普通にやれば成功の方が圧倒的に多いジャンプ。思いっきりいけば跳べるはずなのに、思い切り踏み込めなかった。今、思い返せば、簡単なことのように思いますけども、試合中はその簡単なことがとても難しく感じました」