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今季の駅伝シーズンは混戦模様。
全日本は「選手層」の勝負になる。

posted2019/11/01 12:45

 
今季の駅伝シーズンは混戦模様。全日本は「選手層」の勝負になる。<Number Web> photograph by Kyodo News

出雲駅伝では国学院大学が優勝。今季の駅伝シーズンは混戦模様だ。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 3日、全日本大学駅伝がスタートする。

 学生3大駅伝の初戦、出雲駅伝は国学大が東海大、東洋大、青学大のBIG3、さらに駒沢大を抑えて初優勝を果たした。各区間でミスがなく、最後はエースで勝つという駅伝の面白さを堪能させてくれた素晴らしい勝利だった。

 国学大の躍進は大学間の力が拮抗していることを示し、今年の大学駅伝は実力伯仲、カオスな状態に陥っていることが見て取れた。

 つづく全日本大学駅伝は果たして、どの大学が制するのだろうか。

 全日本は全8区間、106.8キロと出雲からは距離が倍以上になり、7区(17.6キロ)、8区(19.7キロ)がロング区間になっている。選手層の厚さが要求され、スピードとロングを両立させないと勝てない難しい駅伝だ。

 出雲で見えた選手の状態、さらにチームの勢い、選手層から考えると、優勝争いは、BIG3の東洋大、東海大、そして駒沢大が軸になるだろう。

優勝の最有力候補は駒沢と見る。

 駒沢大は、出雲ではアンカー勝負で国学大に負けたが、今後に希望が持てる2位だった。

 1区の山下一貴(4年)が2位集団のトップを快走。2区伊東颯汰(3年)は区間4位、MGCで優勝した中村匠吾と一緒に練習してレベルアップしてきた成果を見せた。

 圧巻の走りだったのが3区の田澤廉(1年)だ。残り500mで相澤晃(東洋大)、吉田圭太(青学大)、浦野雄平(国学大)ら各大学のエースを置き去りにし、区間賞こそ東洋大のエース相澤に譲るも区間新で順位をトップに押し上げた。

 大八木弘明監督が「すごい走りやな」と感嘆した1年生は、全日本でもエース区間を任されることになるだろう。

 その後も4区の小林歩(3年)、5区の中村大成(4年)ともに区間3位の走りでトップを維持した。アンカー勝負で国学大のエース土方英和(4年)に差されたが、中村大聖(4年)も区間4位と決して悪くはなく、全体的な安定感は抜群だった。

 全日本は、出雲の結果で勢いに乗りつつ、豊富な駒を持つ駒沢大の強みがさらに出てくるだろう。重要なロング区間は山下と関東インカレハーフで5位、出雲の5000m記録会で3位に入った神戸駿介(3年)が担うことになるはずだ。

 3区のエース区間は田澤が入ると思われるので、そこでトップに立ち、うまく繋いでロング区間での勝負になれば理想的な展開になる。おそらく出雲組6人と神戸、加藤淳(3年)らが加わり、隙がないオーダーを構成するだろう。

「強かった駒沢に戻ってきた雰囲気がある」と大八木監督は優勝に自信を見せるが、駒沢大には目に見えないいい流れが出来ているように感じる。強さと安定感を取り戻してきた駒沢大は、優勝の最有力候補だ。

【次ページ】 東洋大はエース相澤の存在が心強い。

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