JリーグPRESSBACK NUMBER
首位&久保効果だけじゃない!
なぜFC東京の観客数は急増した?
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/08/08 20:00
各地のグルメが集まった「ご当地スタジアムグルメ in 青赤パーク」では、多くのサポーターが行列を作っていた。
SNSコンテンツ、チケット販売を強化。
確かに久保がスペインへ旅立った後の第18節・G大阪戦は2万8209人、第19節・川崎F戦では4万2401人を集めている。
「今年、集客のためにクラブが取り組んでいることとして、まず試合以外のところでは、クラブが発信するコンテンツの質を上げ、量も増やしています。選手の素が伝わる動画や試合のピックアッププレー集など、SNSでのコンテンツはかなり充実させていて、実際にツイッターのインプレッション数やリーチ数に関しては、去年の1.5倍から2倍に増えています。
それと同時に、データをきちんと使うことにも力を入れるようになりました。たとえばチケット販売に関して。お客さまに多少の不便はかけてしまうのですが、JリーグIDを取得していただいた上でチケットを購入してもらうことで来場者のデータが蓄積されます。SOCIO(年間チケット購入者)の来場履歴などのデータと組み合わせてきっちり分析しています。
そのデータを踏まえて、SOCIOの方でも、ご来場回数の少ない人には『次にこんな大きな試合があるので、来てみませんか』とコミュニケーションを取ったり、逆にSOCIOではないけれど、今シーズンすでに6回来ている方ならば、『後半年間チケットはいかがですか』とオススメしたりしています。お客さま1人ひとりに向けた会話ができるようになりました」
「また来たい」と思われる演出。
では、試合会場での取り組みはどうか。
「試合当日のスタジアムでも、より試合観戦を楽しめる環境づくりを目指しています。例えばスタジアムの演出ではスポンサーであるXFLAG(=ミクシィ)のパワーを借りて、大型ビジョンでの選手紹介映像を工夫したり、1階席と2階席の間についたLEDビジョンを活用したりしています。
川崎フロンターレ戦のように、4万人以上が入った中で、ああいう演出ができれば、いつも以上の“盛り上がり”を感じられますし、『また来たい』と思ってもらえる雰囲気につながっていると思います。
そして青赤パークでは、とにかくお客さまに楽しんでもらうことを意識しています。昨季までの青赤横丁よりも、圧倒的に机と椅子の数を増やしたり、お子さんが気軽にボールを蹴ることができるスペースを設けたりしています。サッカーの試合だけではない思い出づくりをしてもらいたい」