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首位&久保効果だけじゃない!
なぜFC東京の観客数は急増した? 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/08/08 20:00

首位&久保効果だけじゃない!なぜFC東京の観客数は急増した?<Number Web> photograph by J.LEAGUE

各地のグルメが集まった「ご当地スタジアムグルメ in 青赤パーク」では、多くのサポーターが行列を作っていた。

味スタがまるで音楽フェスに。

 味の素スタジアムの敷地内にある「青赤パーク」は、今季の観客数増の象徴だろう。昨年までの「青赤横丁」は、せっかくスタジアムグルメを楽しもうとしても、その場で食べるためのテーブルや椅子が少なく、スタンドに持ち帰って食べることが多かった。

 ところが、「ご当地スタジアムグルメ in 青赤パーク」と題して、全国各地のスタジアムグルメが集まった8月3日、第21節・C大阪戦の青赤パークは、30度を超える真夏日にもかかわらず、14時の開場時から多くの人がテントの下でグルメを頬張り、ビールを飲み干していた。ミニサッカーブースでは子供たちがボールを蹴り、乳幼児を連れたサポーターは、キッズスペースでくつろいでいる。

 その光景は、音楽フェスでお目当てのアーティストが登場するまでくつろぐ、ステージ周辺のフードエリアのようである。

スタジアムで“くつろぐ”。

 ジェフ千葉のスタジアム名物『喜作』の『ソーセージ盛り』を買うために、行列に並んでいたら、後ろの大学生カップルのこんな声が聞こえた。

「ここみたいに、試合前にゆっくり食べられるといいよね。試合中のスタンドだと、それどころじゃなくなるもんね(笑)」

 キックオフ30分前には、モンテディオ山形の名物『いも煮』も完売。夕刻の風が吹き始めた青赤パークでお腹を満たしたサポーターたちが、続々とスタンドへ向かう。

 正直、これまで味の素スタジアムに“くつろぐ”イメージはなかった。でも、この日の光景を見て、印象が変わった。そんな意見を、川崎氏に伝えてみた。

「多くのみなさんがそう感じてくれていると嬉しいですね。今年から毎試合、青赤パークを含めた来場者アンケートを取ったり、SNS上で青赤パークに言及する人の声をかなりチェックしています。そういう意見の中で一番多いのは、やっぱり基本的なこと、ベーシックな部分なんです」

【次ページ】 「まずはしっかりとしたベースを」

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