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首位&久保効果だけじゃない!
なぜFC東京の観客数は急増した?
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/08/08 20:00
各地のグルメが集まった「ご当地スタジアムグルメ in 青赤パーク」では、多くのサポーターが行列を作っていた。
「まずはしっかりとしたベースを」
「これまでの私たちは、『どんなアトラクションを用意しよう』ということから考えていました。ところがお客さまは、それよりもまず『椅子や机を増やす』ことを求めていた。売店の行列に関しても、『店はたくさんあるけれど、列がぐちゃぐちゃになっていて、どこに並べばいいかわからない。だから買う気がなくなる』と思われていた。だから待機列を整備できるチェーンを用意して、何分ぐらい待つのか、最後尾に目安が分かる看板を立てました。
子ども連れのお客さまについては、極端な話、青赤パークで遊んでもらって、試合を観ないで帰ってもらってもいいと思っています。親からすれば、子どもが楽しんだ思い出が大事じゃないですか。お子さんと青赤パークでご飯を食べて、ステージを観て、ボールを蹴って、『楽しかった』と思ってもらえれば、きっとまたスタジアムに足を運んでくれるはずですから。
今は本当に、ベースづくりの段階です。今までできていなかった、当たり前のことを、当たり前にやる。XFLAGのようなIT企業が協力してくれていることで、改善スピードは速くなっていると思います。リーグ戦のホームゲームは1年に17試合しかないわけですから改善の機会が17回しかないことになる。その貴重な改善の機会をどう活かすかは、すごく意識しています。
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まずはしっかりとしたベースをつくった上で、今季の残りのホームゲームや来シーズンは、グルメ企画やオリジナルビール、季節に合わせたステージイベントなど、プラスアルファの部分にも力を入れたいですね」
この日、FC東京は3-0でC大阪に快勝した。ピンチと見れば各選手が全力で自陣に戻り、相手に激しく体を寄せる。チャンスとなれば、全速力で相手ゴール前になだれ込む。開幕から続ける攻守のハードワークは、猛暑の中でも健在。
ピッチ内のプレーも、ピッチ外の集客も、まずは「ベース」が大事ということか。