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鹿島・伊藤翔が欠かさぬ予習と反復。
「カバーニ先生」に学び、実践する。
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/04/19 17:00
「和製アンリ」と呼ばれた伊藤翔は今、カバーニに学んでストライカーとして完全開花の時を迎えている。
中京大中京での“3タッチ”練習。
サッカーを始めてから、すべてのポジションをこなしてきた。FW一本になったのは、中学3年夏からのことだった。
「彼はFWの方が合っている」
中京大中京高の道家歩監督が伊藤の練習する姿を見て、所属していたクラブチームの監督に、そう進言したことがきっかけとなった。
その後、同高校へ練習参加をすることになり、ポジションに特化した練習を経験することで、「ここに入れば間違いなく個として成長できる」と確信。卒業後の進路に対して、迷うことなく中京大中京高への進学を決意した。この時期が伊藤自身、「技術的に一番伸びた」と自負する。
「当時、2タッチでやるサッカーが流行っていたんですが、うちの高校では3タッチでした。それをとにかく反復練習したことが、僕にとってはすごく良かった。まずは、ボールを体の正面でしっかり止める。次に、ボールを押し出してパスを出す。最初にボールを止めたとき、どっちにもいける状況を作っておけば相手も対応が難しくなる。プレーの幅が広がりましたね」
アンリ、ベルカンプのDVDを見て。
試合になれば、とにかく縦への突破を求められた。最初はなかなかうまく抜くことができなかったが、縦への行き方やターンの仕方などを教わり、とにかく反復練習を繰り返した。すると、試合で抜けるようになった。
「プロとして長く経験した今でも、反復練習はめちゃくちゃ重要だと思っています。サッカーは原理原則があって、プレーにもいいプレーの型、悪いプレーの型があることを、高校時代に知りました。その型を作るために反復練習がある。シュートに関しては特にそう。何本蹴ったかというのが大事。もちろん、ただ蹴るだけでは意味がなくて、どこに当てるのか、どういうボールの回転なのか、そこは考えてやらないといけない」
そんな反復練習を繰り返した時期に手本としたのが、ティエリ・アンリとデニス・ベルカンプだった。
「アーセナルが強かった時代はアンリ、ベルカンプのDVDをめちゃくちゃ見ていました。ブラジルのロナウドが大好きだったので見てはいましたけど、もちろんあのプレーは真似できないし、とにかくうますぎて参考にならない(笑)。あと動き方で言えば、(フィリッポ・)インザーギもよく見ていましたね」