“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
期待の大型CB三國ケネディエブス。
ペッキアの寵愛を受け、成長中。
posted2019/04/18 17:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
本格的にCBをやってわずか1年の男が、ルーキーながらアビスパ福岡のレギュラーとしてJ2の舞台で躍動している。
ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、192cmの長身と高い身体能力を誇る三國ケネディエブスは、今季、青森山田高校から福岡に加入すると、開幕戦から2試合連続でスタメンフル出場。その後、負傷により2試合はベンチ外となったが、復帰後は再びスタメンで出場すると、直近の第9節・町田ゼルビア戦もフル出場を果たしている。
彼がCBとして“本格的に”プレーするようになったのは、高校3年生になってから。
青森山田中学校時代から全国大会で得点王に輝くなど、超大型ストライカーとして存在感を発揮していた三國だったが、高校に進学すると、CBとして起用されることが増え、2年生までは両方のポジションをこなしていた。そして、最上級生となる高3時にCBへ本格的にコンバート。当時のコメントからも強い決意が窺える。
「昨年からCBとしてやるべきことを先輩に聞いたり、試行錯誤しながらやってきて、今年はもうそれに集中できるようになった。今、求めているのはターンのスピードと裏への対応。空中戦は得意だけど、その分、相手は懐を狙って飛び込んでくる。そこでやられていたら意味がないので、しっかりと対応できるようにしていきたい。もう僕の中で、『CBで生きていこう』という思いが芽生えていますし、CBとしてプロにいきたいと思っています」
CBとして世代別代表にも。
CBとして生きていくことを決めた三國は、メキメキとその才を発揮し、急成長。Jクラブのスカウトが色めき立つほど大きなポテンシャルを見せていた。
争奪戦の末に福岡への加入が内定すると、10月にはインドネシアで開催されたAFC U-19選手権に唯一の高体連選手として出場。
「正直、戦力になれたとは言えなかったかもしれないけど、同年代のライバルたちと一緒にプレーして刺激を受けたし、学ぶことも大きかった。日本を代表する責任も凄く成長につながると感じたので、もっと高いレベルを経験したいと思えた」
U-19ではレギュラーとはいえなかったが、3試合に出場し、大きな経験を積んだ。
そして今年、レギュラーとしてプロの舞台を経験した三國は、先日、U-20W杯(5月23日~、ポーランド)に向けた国内最終合宿となったU-20日本代表候補トレーニングキャンプに参加。最終日の全日本大学選抜との練習試合の1本目にCBとして堂々とスタメンを張った。