ラグビーPRESSBACK NUMBER
本当にこのままでいいのか?
悲しすぎるサンウルブズの除外問題。
text by
![近藤篤](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/90/img_6b8669cad6127fa089305f7f73874a7f13318.jpg)
近藤篤Atsushi Kondo
photograph byAtsushi Kondo
posted2019/04/10 08:00
![本当にこのままでいいのか?悲しすぎるサンウルブズの除外問題。<Number Web> photograph by Atsushi Kondo](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/b/700/img_7b3086143e430ef8e06a00dc5248d83a150839.jpg)
サンウルブズが強くなっていく姿をファンは見続けてきた。あと1年、どんな気持ちで見届ければいいのだろうか。
南の方から聞こえてきた除外のニュース。
ところが。
その不吉なニュースはいきなり南の方から聞こえてきた。
「2020年をもってサンウルブズはスーパーラグビーから除外となる」
ADVERTISEMENT
2019年3月20日、リークしたのはオーストラリアの日刊紙だった。
夕食前だったと思う。ニュースサイトのトップページに現れたその記事に目を通した。ハァ? と声を出し、もう一度その記事を読んだが、1分前に読んだ内容に変化はなかった。しばらく呆然とし、夕食用にオーブンの中で焼いていたパンが焦げた。
まさかそんなことあるわけないだろ! と笑い飛ばしたかったが、その記事は妙に確信に満ちていた。
南半球からもたらされたその不吉な知らせは2日後、最悪の現実に姿を変える。
3月22日、スーパーラグビーを主催する団体SANZAARは、2020年をもってサンウルブズのリーグでの活動が終了することを正式に発表した。
彼らの発表は、決定に至るまでのプロセスの詳細はさほど語ることなく、決定した事実とその事実を選択するに至った理由を簡単に説明していただけだった。
年間約10億円、だったらしい。
いわく、スーパーラグビーは参加15チームからなる現行の3カンファレンス制(システムが複雑であまり好評ではなかった)を変更し、2021年からは14チーム総当りのリーグ戦に戻る。
いわく、サンウルブズはSANZAARが期待していたほどの収益をもたらさなかった。
いわく、SANZAARとしてはサンウルブズのことを考え、現行のシステムを維持するために必要な金額を支払えばサンウルブズがリーグに残ることも可能、という条件を提示はしたが、サンウルブズ側からはその金額を支払うことは不可能という返答があった。
SANZAARがサンウルブズに求めた拠出金は、日本円にして年間約10億円、だったらしい。「らしい」という曖昧な表現しかできないのは、この除外に関しての細かい数字は守秘義務契約が守られているために、誰もオフィシャルに発表できないからだ。
だから、彼らが求めたものが果たして10億円だったのか、あるいは実はさらに多かったのかはわからない。少なくとも、実は2000万円、というようなことではなかったのだろう。その金額であれば、サンウルブズ好きの一般人が街角に立って募金でもすれば、あっという間に集められる。