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「もう日本一に手が届いている」
慶大新HC栗原徹の新たな挑戦。
~帝京、明治、早稲田に勝ち切るために~
posted2019/03/27 15:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
「慶應は、もう日本一に手が届いているんです」
慶大ラグビー部の栗原徹新HC(ヘッドコーチ)は、サラリと言った。
「昨季で言うと、早大に2回、帝京に1回負けたけど全部接戦だったし、明大には勝っている。力の差はないんです。必要なのは、突き抜けるイメージを選手自身が持つこと」
口調には何の力みもない。クールでポジティブ。その裏には豊富な経験が透けて見える。
茨城の清真学園から慶大に進み、2年時の対抗戦ではゴールキック29連続成功の快記録を作り、3年時にFBで大学日本一。サントリーに進むとウェールズ戦勝利、7人制も含めた国内全タイトル制覇など黄金時代を築き、日本代表では'02年の中華台北戦で1試合60得点(6T15C)の今も残るテストマッチ世界記録を樹立。日本代表キャップは27。通算得点347は五郎丸歩、廣瀬佳司に次ぎ歴代3位。15人制と7人制の両方でW杯を経験した。