甲子園の風BACK NUMBER
甲子園史上最強の応援となるか!?
大阪桐蔭による東邦の応援は必見。
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2019/03/26 06:30
大阪桐蔭の吹奏楽部のトラック側面には、「ガンバレ!! 東邦高校硬式野球部 友情応援」の文字が。
一気に仲良くなった両校生徒。
アルプススタンドで応援の指示を出し、大太鼓をたたく予定の、野球部応援団長の山田斐祐将(ひゅうま)君と副団長の大沼昂暉(こうき)君も参加し、まずは試合の初回に演奏する、『SHOW TIME』(湘南乃風)、通称『戦闘開始』からスタート。「We are 東邦!」という掛け声から始まる、東邦の名物応援だ。
大阪桐蔭と東邦の生徒が楽器ごとに並んで座る。
威勢のいい東邦の掛け声を見守る大阪桐蔭の生徒たち。
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東邦の応援を生で見るのは初めてだ。最初は戸惑いながらも、次第に打ち解け、「We are 東邦!」と全員でコール。指揮をする梅田隆司氏が、たまに「We are 桐蔭!」とわざと間違えると、どっと笑いが起き、どんどんなごやかな雰囲気に。
昼休みは両校の生徒が一緒に弁当を食べ、さらに距離が縮まった。大阪桐蔭の生徒は、
「最初、自分の学校以外の応援をするのはちょっと複雑な思いもあったけど、東邦のみなさんがとてもいい人で、『一生懸命応援してあげたい!』という気持ちになった。当日はしっかりがんばりたいです」と笑顔で話した。
驚くべき早さで東邦の振り付けを習得。
午後の練習では、東邦独自の振り付けも伝授。同校の応援は、足を膝まで高く上げたり回転したり、マーチングの動きを取り入れた非常にハードなもので、一糸乱れぬ動きは、まるで何かのショーのような雰囲気さえ漂う。
応援の演奏に動きをつける吹奏楽部はたまに見かけるが、東邦のような激しい振り付けは見たことがない。大阪桐蔭も日頃マーチングをしているということもあり、生徒たちの覚えのよさも素晴らしく、みるみるうちに形になっていく。
筆者も吹奏楽部出身だが、マーチングの経験はなく、あの振り付けをすぐに覚えられる気がまるでしない。ミスなく動くことで頭がいっぱいになり、演奏がおろそかになってしまいそうな気さえする。