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一軍にいない松坂、根尾が人気独占。
転売、謎情報に揺れた中日キャンプ。
posted2019/02/27 08:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
Kyodo News
終わってみれば「松坂大輔と根尾昂のキャンプ」であった。
最終クールに入った2月24日、北谷球場正面にあるグッズ売店では「売り上げ1億円到達感謝セレモニー」が行われた。節目の購入者には与田剛監督のサイン入りレプリカユニホームなどが贈られた。
2年前までは多くて2000万円だった売り上げが、松坂が入団した昨年は5000万円に増え、根尾が加入し、松坂の背番号が変わった今年はさらに倍増となった。
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最も売れたのは根尾のネームタオル(2000円)で1万枚。売り上げ額だと松坂のレプリカユニ(6000円)で6000着。ほとんどの商品が沖縄限定デザインということもあり、名古屋などからの旅行客がお土産として大量購入するケースが目立ったそうだ。
数と額で2人がタイトルを分け合った形。甲子園春夏連覇コンビの飛び抜けた人気が証明された。
松坂、根尾は愛されているが。
しかし、水を差すようで申し訳ないが、球団は喜んでばかりもいられない。というのも、松坂はこのキャンプで1球も投げてはいない。根尾にいたっては1日も一軍キャンプ地の北谷には来ていない。要するに球場を訪れたファンの多く(松坂は数日間、練習はしている)は、目の前で動いている選手よりも、不在の選手のグッズをせっせと買い求めたということになる。
2人の愛され度は恐るべきだが、プロ野球選手の商品価値を考えてみると、他の選手とのあまりの格差に愕然とする。
くわえて話題を呼んだのがサインの転売問題である。2月4日に球団公式サイトで「ファンの皆さまへのお願い」として転売目的でのサイン取得をやめるよう訴え、改善が見られないようならファンサービスの制限も視野に入れていると「警告」した。