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森保ジャパンはまだ本気出してない!?
トルシエが語る、静か過ぎるアジア杯。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byJFA/AFLO
posted2019/01/16 17:00
オマーン戦終了直後、お互いに労う日本代表の選手たち。次戦ウズベキスタンとの戦いではメンバーは大幅交代も予測されている。
割り切った戦いぶり続ける日本。
「だから要約すれば……日本はグループリーグ突破を決めた。そして、試合を終始支配しコントロールもした。しかし決勝トーナメントに上がってからはさらなる力を示さなければならない……ということだ。
その目標は明らかなわけだが、私はそこも心配していない。日本はここまで非常に割り切った戦い方をしてきているからだ。
この試合だけで判断すれば、日本の攻撃は厚みを欠き内容的にも乏しかった。それは選手の若さ故なのだろうと思う。南野はとても面白い選手だし、北川もポテンシャルは感じたが、成熟とは無縁で迫力にも乏しかったのもまた事実だ。
昨日はイランの試合を見たが、イランの方が日本よりずっと成熟していると思う。
とはいえ日本も、これから真価を発揮するのも間違いない。
日本はまだ持てる力の最小限しか出していない。日本を分析して評価するのはまだ早い。まだまだ進歩の余地があるし改善の余地もある。攻撃には余力があり守備は経験が豊富だ。
この試合を勝つために無理をする必要はまったくなかった。ただ野心と正確さが足りなかっただけだ。攻撃が軽かったのは、中盤のサポートもサイドバックのサポートもなかったからだ」
結果は出したが、試合内容には乏しい。
――サポートが足りないからカウンターアタックも有効ではなかったと。
「それでも終盤には何度かカウンターを仕掛けた。しかし3人のアタッカーだけの攻撃だったから威力はさほどなかった。サポートがなかったからだ。
長友も酒井も上がっていかずにサイドからの攻撃オプションを欠いた。そして前線の選手たちは若く経験を欠いていた。伊東が最後に入ったが、彼もまたナイーブで経験が足りなかった。
日本はここまで期待に違わぬ結果を残したが、試合内容には乏しかった」
――そうですね。レフリーの判定もありましたし。
「私が思うに前半のPKは、あれはPKではなかった。あの判定はオマーンに厳しかった。対して(長友の)腕に当たったのは明らかだったのだから、オマーンにPKが与えられて然るべきだった」