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クルトワからの9.35秒を味わって。
長友佑都はもっと走りを追求する。 

text by

松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

PROFILE

photograph byMiki Fukano

posted2019/01/07 10:30

クルトワからの9.35秒を味わって。長友佑都はもっと走りを追求する。<Number Web> photograph by Miki Fukano

10年間にもわたって日本の左サイドを務め続けてきた長友佑都。その意欲は今もなお盛んだ。

クルトワがボールを取った瞬間。

 だからこそ、決勝トーナメント1回戦ベルギー戦の終盤、2-0から2-2に追いつかれた状況でも、こう思えた。

「延長で勝負をかけられる。ベルギーの選手はバテて、足が止まりかけているのは分かっていました。逆に僕は、まだ余裕があった。これは延長に入れば、ベルギーは僕のことを止められないだろうって」

 しかし、望んでいた延長戦は戦えぬまま、試合は終わった。後半アディショナルタイム4分、本田圭佑の蹴ったCKが、GKクルトワの手に収まった。このとき長友は、敵陣内のセンターサークル付近でベルギーの逆襲に備えていた。

「クルトワからデブライネにボールが渡った瞬間、“あ、日本の選手遅れている。数的不利になっている”って思ったんです」

デブライネじゃなかったら。

 長友はベルギーの前線で待ち構えていたルカクをマークしながら、自陣に走った。

「あのとき、ボールを持っているのがデブライネじゃなかったら、僕は走るのを止めて、ルカクをオフサイドポジションに置いたと思います。ルカクは斜めに走って、最終ラインの裏を狙っていたので。でも、どんな状況でも最適のパスを出せるデブライネだったからこそ、ルカクのマークを捨てられなかった。デブライネからルカクへの一発のパスが一番怖い。それを避けるために、僕はルカクに付いて行きました」

 デブライネは、サイドを駆け上がったムニエにパス。すぐさま長友はマークを切り替え、ムニエに向かって走った。

「サイドに出させて、そこで遅らせれば、みんなが帰ってくる時間はつくれると思っていました。でも、やっぱりベルギーのほうが、スピード感が上だった」

 ムニエのワンタッチでの折り返しに、長友の足は届かず。ファーサイドに詰めていたシャドリに押し込まれた。

【次ページ】 親子でピッチに。最高っすね。

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