Number ExBACK NUMBER
スポーツ業界は“物好き”頼みに終止符を。
並木裕太が考えた経営人材活用法とは?
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byGetty Images
posted2019/01/08 07:00
ヒューストン・アストロズのGMジェフ・ルノー。MLB界では、球団経営面でも様々な革命が起こっている。
日本のプロスポーツ界を変革できるはず。
並木は「まじめにいいことをしようと思ってるんですよ」と笑いつつ、将来的なリターンの可能性をこう説明する。
「弊社のコンサルタントがクラブなどの中に入って仕事をすることで、クライアントとの関係強化が図れるし、内部の課題を拾い、次のビジネスへと広げていくことも可能かもしれない。
それに、たとえばシーズンオフになって繁忙期が過ぎれば、うちが抱えているスポーツとは関係のないクライアントのプロジェクトを手伝ってもらうケースもあるでしょう。そこで300万円ぶんの仕事をしてくれれば、差額として負担したところは実質的にゼロになる計算が成り立つ。
それに何より、弊社はスポーツに関する領域ではコンサル業界のポールポジションにいると自負しているので、日本のスポーツ市場が拡大することの恩恵はきっと返ってくると考えています」
ビジネス界出身の外部人材が必ずしも結果を出せるとは限らない。組織との軋轢に悩み、挫折する若者もいるかもしれない。
それでも、NPBと12球団、Jリーグと54クラブ、その他さまざまなプロスポーツ団体のすべてに、仮に「1人」ずつ経営のプロフェッショナルが行き渡った未来を想像する時、総体としてひと回り逞しくなった姿をイメージすることはできる。
「鶏が先か、卵が先か」のジレンマで立ち止まっていた人材問題に一石を投じる試みは、日本のスポーツ界にどんな変化を起こせるだろうか。