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経験を積んだ城西大学は大学史上過去最高順位に挑む。
拓殖大学は大黒柱・デレセにどう繋ぐか。 

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箱根駅伝2019取材チーム

箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019

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photograph byShunsuke Mizukami

posted2018/12/20 11:40

経験を積んだ城西大学は大学史上過去最高順位に挑む。拓殖大学は大黒柱・デレセにどう繋ぐか。<Number Web> photograph by Shunsuke Mizukami

1区で今回も馬場を起用か。

 そんな状態の中、拓殖大学はチーム目標を上方修正し「3位以内」にしたという。その主柱となるのはもちろん、エースのデレセだ。

 今季のトラック出場は4月の日体大記録会と5月の関東インカレ、6月の全日本大学駅伝選考会だけと少ないが、関東インカレでは10000m男子2部で3位に入り、日体大記録会では28分14秒49の自己新を出している。

 1年時から出場している箱根駅伝の2区は、最初こそ区間2桁順位だったが、'17年は1時間7分50秒の区間2位でチーム順位を14位から4位にあげ、前回も区間5位で13位から5位まで順位を上げている。留学生でありながら陸上競技歴は大学に入ってからと浅く、まだ底を見せていない雰囲気もあるだけに、駅伝にも慣れてきた今回は1時間6分台に突入する走りも期待できる。

 その快走を生み出すためのポイントは、いかにデレセをいい条件で走らせられるかだろう。できればなるべく上位でたすきを渡し、最初から突っ込む必要を無くしたいところだ。「区間新を狙う」と話している日本大学の留学生、パトリック・ワンブィ(4年)が後ろから追いかけてきて、途中から一緒に走れるようなポジションならば最高だろう。

 そのために1区は前回も同区間を走り、出雲でも1区を任された日本人エースの馬場の起用になる可能性が高い。10000mは昨季出した28分43秒72がベストだが、ハーフマラソンでは自己新を出して調子を上げているだけに、前回の結果以上の走りは出来るはずだ。

特殊区間でどれだけ粘れるか。

 さらに岡田監督が自信を持つのは、特殊区間の5区と6区。ともに前回の経験者が控え、大崩れはしないと確信を持っているからだ。

 5区の戸部は3年連続の山上りが濃厚。

 前回は区間順位こそ1度目と同じ11位だったが、タイムは50秒も縮めている。今回はハーフマラソンでも自己記録を伸ばして平地の走力を付けているだけに、区間順位一桁は確実とにらんでいるだろう。また、6区の硴野は前回区間7位で走っているが、彼も出雲の2区で区間3位になっただけではなく、10000mでも10月に28分55秒30の自己新を出している。その2人の今季の成長が箱根路にそのまま直結すれば、この2区間で2分近く、タイムを上積みできる可能性はある。

 前回はデレセで5位に上がった勢いをそのままうまく維持して往路は4位でフィニッシュした。その走りを平地で再現して、5区と6区が期待通りの走りをすれば、3位も見えてくるはず――それが岡田監督の「目標3位以内」ということの裏付けなのだろう。そこまでいけば復路は、長い距離に対応する力を練習でじっくり準備させた“岡田マジック”発揮の場となってくる。

 拓殖大学躍進のカギは、エースの2人を並べてくるだろう1区と2区の滑り出し。そして5区と6区の特殊区間の選手が今季の成長の成果を発揮できるかにかかっている。

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