第95回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER
経験を積んだ城西大学は大学史上過去最高順位に挑む。
拓殖大学は大黒柱・デレセにどう繋ぐか。
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箱根駅伝2019取材チームhakone ekiden 2019
photograph byShunsuke Mizukami
posted2018/12/20 11:40
拓殖大学
<前回大会8位> 6年連続40回目
層の厚さは大学史上最高レベル。
留学生主将・デレセの走りは如何に。
文=折山淑美
前回大会、拓殖大学は往路を同大学史上最高の4位で終えると、総合順位でも8位に食い込んだ。
予選会5位からの挑戦だったが、かつて母校の亜細亜大学を“総合優勝”に導いたこともある名将・岡田正裕監督は「往路にいい選手を使ったので、復路は苦しかったが、シード権は取れると思って臨んだ」と自信を持って話していた。
その自信の理由は、エース区間である2区でエースのワークナー・デレセ・タソ(現4年)が流れを作り、以降の区間にも駅伝の経験豊富なメンバーが多数残る状態だったからだ。
その状況は今季も変わらない。
前回のメンバーで卒業したのは2名だけで、主力として主要区間を走った3年生5人がそのまま4年生になり、チームも充実している。
新チームはデレセがチーム史上初めて「留学生主将」になり、副主将を2名置く、チーム初の3人体制でスタートした。デレセは練習中に集団から遅れる選手がいると、尻をポンとたたいて励ましたりするなどチーム全体の心の支えにもなっている。
「最低でも5位、それ以上も」
そんなチームが注目される結果を出したのは、10月の出雲駅伝だった。前回の箱根駅伝では1区13位ながらトップと46秒差で走った馬場祐輔(4年)が1区を5位で滑り出すと、2区の硴野魁星(4年)が区間3位でチーム順位を4位に。3区のデレセは貫録の区間賞獲得でチーム順位を2位まで上げた。箱根駅伝で2年連続5区を走っている戸部凌佑(4年)、唯一の学生三大駅伝初出場で台頭著しい2年生の吉原遼太郎も粘って4位でたすきをつなぐと、前回の箱根駅伝で3区を走ったアンカーの赤崎暁(3年)がその順位を維持した。
「最低でも'11年の最高順位5位、それ以上も取れる」
そう岡田監督が話していた通りの結果となった。
11月の全日本大学駅伝への出場はなかったため、じっくりと箱根駅伝仕様の長い距離に取り組めたのも岡田監督の手腕を発揮できる時間が増えたとも言える。その成果は11月の上尾ハーフマラソンにおいて、デレセの1時間1分50秒や、馬場の1時間2分53秒の自己新を筆頭に、7人が1時間3分台以内という結果になって表れている。