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森保J結成3戦目でこの爽快感とは!
キャッチフレーズがいらない強さ。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/10/17 11:30
ホーム埼スタ開催とはいえ、撃破した相手はウルグアイである。森保一監督率いる日本は、期待感を大いに抱かせる。
ボランチ遠藤も成長の跡が。
経験豊富なベテランが引っ張り、若手が伸び伸びとプレーするといった世代交代の典型的な構図ではなく、20歳の堂安、23歳の南野、24歳の中島のアグレッシブな姿勢が、チーム結成3試合目とは思えないコンビネーションを生み出した。
大迫のボールを収める力はウルグアイ相手にも抜群だったが、1トップの彼が孤立しないうえにお互いのスペースを消さない距離感で、2列目の3人がプレーしていた。
そこにまた、ダブルボランチの柴崎と遠藤航が絡み、ワンタッチのタテパスで攻撃をスピードアップさせる。遠藤はベルギー移籍による成長がはっきりと読み取れ、ポリバレントなバックアッパーだったロシアW杯までの立ち位置を変えている。2列目の3人に加えてこの25歳も、生まれ変わったチームで輝きを放っていきそうだ。
キャッチフレーズがない強さ。
森保監督のチームには、目を引くキャッチフレーズがない。ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督がデュエルを試合の評価基準のひとつとしたように、「これができていたらチームは機能している」といった目安を見つけにくい。
実はそれが、このチームの何よりの特徴なのである。
デュエルを強調されてなくても球際で戦い、シンプルなタテパスが生きるならためらわずに狙う。
前線から連動してボールを奪い切る場面があれば、自陣ゴール前で相手の攻撃を跳ね返すこともある。そのうえで、攻から守への切り替えを徹底する。
15分のプレーは分かりやすい。ドリブルで仕掛けた柴崎が敵陣でボールを失う。遠藤も攻め上がっており、ボランチのファーストアタックがかなわない。
タテパスを入れられたらカウンターを受けてしまうこの局面で、右サイドバックの酒井がボールホルダーへアプローチし、流れを寸断した。ゲームの細部へのこだわりが見えた意味でも、取り上げておきたいシーンだった。