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福西崇史「純粋にすごいな、と」
堂安律のゴールと森保Jの“余裕”。
posted2018/10/17 17:00
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
Takuya Sugiyama
正直、ウルグアイ相手にここまでの戦いぶりを見せるとは……驚きました。
セットプレーとパスミスなどでの3失点はもちろん反省材料ですが、ロシアW杯で手堅い守備を築いていたウルグアイから4ゴール。カバーニらが試合中に悔しさや怒りを前面に出していたことから分かる通り、本気の相手を真っ向勝負で倒した。これは3戦目だけどいきなり大きな自信を得られますよね。
試合前、個人的にはもっとウルグアイにボールを持たれる展開になるかな、と予想してました。ウルグアイはスアレスこそいなかったけど、前線にカバーニ、そして中盤にもベンタンクールやトレイラ、最終ラインにゴディンとタレントがそろっていましたからね。
それでも日本は森保監督がチームに求めている素早い攻守の切り替え、前からのディフェンスで相手を後手後手に追い込んでいった。
例えば2点目と3点目の場面では堂安、4点目も柴崎が相手からすぐボールを奪い返したことがきっかけになりましたよね。果敢な守備が90分間ずっと続いたのはコンディションの良さとともに、選手それぞれがしっかり意識づけできているからこそです。
臆さないどころか余裕が。
前線だけでなく、柴崎と遠藤のダブルボランチも積極性が目立っていた。遠藤が高めの位置でボールを奪ってから酒井にスルーパスを出して、大迫の決定機が生まれた場面がありました。
また柴崎も斜めからのボールをワンタッチですらして味方につなぐなど、距離感の取り方も絶妙でした。相手の中盤が「どこでボールを獲りに行けばいいんだ?」と迷っているくらい、相手のプレッシャーを剥がせていました。
これだけ内容の濃いプレーができたのは、メンタル面が充実していたというのも大きな要因でしょう。親善試合とはいえ連敗は避けたいウルグアイ(※12日の韓国戦、1-2で敗戦)にも、臆さないどころかプレーに“余裕”を感じた。これは純粋にすごいなと。