サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
森保J結成3戦目でこの爽快感とは!
キャッチフレーズがいらない強さ。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/10/17 11:30
ホーム埼スタ開催とはいえ、撃破した相手はウルグアイである。森保一監督率いる日本は、期待感を大いに抱かせる。
ミスしても主導権を失わず。
それだけに、57分の2失点目はいただけない。オフサイドポジションに残っていたカバーニに、三浦弦太がバックパスという名のラストパスを差し出してしまった。スコアはタイに戻った。
明らかなミスで同点に追いつかれた。主導権を失ってもおかしくないのだが、日本はすぐにウルグアイを突き放す。敵陣右サイドでパスカットした堂安が、CKの流れで前線に残っていた酒井宏樹とのパス交換でペナルティエリア内へ侵入し、切り返しでマークを外して左足でネットを揺らした。
すぐにリードを広げた日本は、息継ぎをせずに畳みかける。66分、敵陣でボールを奪った柴崎岳のタテパスをきっかけに、堂安が左足を振り抜く。GKムスレラが辛うじて弾いたボールを、南野が右足ボレーで叩きこんだ。
大味な撃ち合いは不要だが。
このまま4対2で締めれば、読後感ならぬ観戦後感はまた違っただろう。75分の失点は、率直に言って不要である。
右サイドバックの酒井宏樹が攻め上がったあとのスペースを埋める前に、ウルグアイに突かれてしまった。直前に行なわれていた柴崎岳から青山敏弘への交代も、守備のオーガナイズに影響を及ぼしたかもしれない。いずれにしても、リードを2点に広げたことによるちょっとした気の緩みがあり、チーム全体として危機察知能力が鈍っていた。
そうは言っても、本気になったウルグアイを出し抜いたのだ。大味な撃ち合いは望むべき展開でないものの、4対3で勝利したことは評価できる。
長友佑都、吉田、酒井宏、柴崎らロシアW杯の主力が、森保監督のもとで初めてプレーした。パナマ戦に出場していた大迫も含めて、彼ら経験者とリオ五輪&東京五輪世代の融合はウルグアイ戦のテーマだった。
融合を問うまでもなかった。