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トルシエ「“攻撃的な守備”が方針だ」
アジア大会で見えた森保監督の哲学。 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byNaoki Morita/AFLO SPORT

posted2018/09/11 10:30

トルシエ「“攻撃的な守備”が方針だ」アジア大会で見えた森保監督の哲学。<Number Web> photograph by Naoki Morita/AFLO SPORT

アジア大会では、海外メディアが選ぶベストイレブンにも選ばれた身長189センチの立田悠悟。今後、世界レベルに化けるか?

「CBの選手たちが興味深かった」

――A代表への可能性を感じさせた選手はいましたか?

「センターバックの選手たちが興味深かった。20番(立田悠悟)がそうだ。知的でフィジカルも強い。札幌でプレーする10番のゲームメイカー(三好康児)も面白い。彼もまた力強く、爆発する力を持っている。

 ただ、決勝の試合に関しては、チームは均一化していたと思う。それが最も重要な点でチームはまさにひとつになってプレーしていた。優れていたのは個人よりもコレクティブな全体だ。全員がチームのためにコレクティブに働いており、強い連帯意識が感じられた。

 そのうえ彼らは決して諦めなかった。

 2-1と1点差に迫り残り時間も少なかったが、15番(上田綺世)が入ってあわや同点という場面を作り出した。それこそが力だ。この力は五輪の本大会でも大きな推進力となるだろう」

本田、長友、香川、岡崎……をどうするか?

――森保監督の次なる大きなチャレンジはアジアカップです。

「日本のアドバンテージは23人のワールドカップ代表選手のうち、12~15人のそれなりに若い選手がアジアカップでもプレーできることだ。

 また彼は5~6人の五輪代表を加えることも可能だ。

 彼にとってアジアカップは、世代交代をスムーズにおこなういい機会になるだろう。

 本田や長友、香川、岡崎、川島、長谷部……。

 長く代表を支えてきたベテランたちの処遇をどうするのか。直ちに彼らを外すことも可能で、それは日本代表の新たなイメージを喚起するし、勝ち進めば自信も植えつけられる。

 いずれにせよチームの再構築は不可欠だが……そうであるならば、今すぐベテランを外すのか? それとももっと後にするのか?

 9月と10月の試合にどんなスタンスで臨むかが、この問題の答えになるだろう」

【次ページ】 世代交代をどうやって加速させるか?

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