サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
森保Jのフレッシュな顔ぶれに見る
オシムジャパンとの共通点とは。
posted2018/09/10 11:20
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
この試合が実施されることは、誰も望んでいなかっただろう。それどころではない、と誰もが思っていたはずである。
9月7日に行われるはずだった日本代表対チリ戦は、6日午前に発生した地震の影響で中止された。報道陣の取材に応じた森保一監督は、「自然災害には太刀打ちできない。犠牲になった方々のご冥福を心からお祈りします。少しでも早く普段の生活が戻ることを願っております」と、神妙な面持ちで話した。
11日のコスタリカ戦への準備も、当初の予定どおりには進められそうにない。しかし、森保監督は「与えられた環境に感謝して最善を尽くしたい」と話した。コスタリカ戦は大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田を舞台とするが、近畿地方も9月上旬に台風上陸の被害に遭ったばかりだ。
指揮官と選手たちの胸にも様々な思いが去来しているだろうが、キックオフを迎えたらプレーに集中するしかない。勝利をつかむことで、被災地に勇気や希望を届けるのだ。
闘莉王、啓太ら5人を初招集。
実に12年ぶりのフレッシュな顔ぶれである。
9月11日のキリンチャレンジカップに臨む森保監督のチームは、イビチャ・オシム元監督の立ち上げを思い起こさせる。
ドイツW杯後の'06年8月に就任第1戦を迎えたオシム元監督は、ドラスティックにメンバーを入れ替えた。トリニダード・トバゴと相対したスタメンには、田中マルクス闘莉王や鈴木啓太ら初代表の選手が5人並んだ。
すでに国際Aマッチ出場経験のある6人にしても、駒野友一はこの試合が10試合目、長谷部誠は4試合目、田中達也は3試合目だった。国際試合の経験が豊富と言えるのは、キャプテンでGKの川口能活、三都主アレサンドロ、坪井慶介の3人だけだった。