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大坂なおみ、セリーナ戦での品格。
全米制覇は“Naomi Era”の幕開けに。
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生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2018/09/09 14:00
![大坂なおみ、セリーナ戦での品格。全米制覇は“Naomi Era”の幕開けに。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/3/700/img_f3479c6c83bff3cfc0a02557a4a93cdc142584.jpg)
幼いときからの憧れ“セリーナ”に勝って、グランドスラムを勝ち取った大坂なおみ。優勝セレモニーでは終始、謙遜した態度をとり続けた。
この優勝が“Naomi Era”の幕開けに。
この全米オープンの優勝は"Naomi Era"、「大坂時代」の幕開けとなるかもしれない。
この2年間、女子テニス界は「乱世」の様相を呈していた。大坂の優勝で、この8大会のグランドスラムの優勝者がすべて異なることになった。
<2017年>
全豪:セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)
全仏:エレナ・オスタペンコ(ラトビア)
ウィンブルドン:ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)
全米:スローン・スティーブンス(アメリカ)
<2018年>
全豪:キャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)
全仏:シモナ・ハレプ(ルーマニア)
ウィンブルドン:アンゲリク・ケルバー(ドイツ)
全米:大坂なおみ(日本)
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2年間のグランドスラム優勝者がすべて違うという大乱世。当然のことながら、大坂はこのなかでいちばん若い(生まれ年ではオスタペンコと同じ1997年)。しかも、伸びしろがある。
昨年の全米オープンで、アメリカのメディアは大坂のことを「ベイビー・セリーナ」と呼んだように、ベースライン・プレーヤーである。
セリーナとの決勝戦、大坂がネットプレーに出たのはわずか1回。まだ、このエリアについては、十分な練習時間を割いていない。今後、強烈なサーブを武器にネットプレーをしかけ始めたりしたら……。
この優勝は、黄金時代の幕開けとなるような気がしてならない。
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