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トルシエが考えるW杯のスタメンとは?
「パラグアイの勝利は何も保証しない」 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/06/17 07:00

トルシエが考えるW杯のスタメンとは?「パラグアイの勝利は何も保証しない」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

W杯本番前の西野ジャパンの合宿風景。わずか3週間で、どこまでチームをまとめられるか?

「彼は本田を心理的な理由から使わざるを得ない」

――本田は先発出場ですか?

「(少し考えて)答えはウィとノンだ。しかし彼は本田を心理的な理由から使わざるを得ないだろう。特に試合のスタートに関してはそうだ。リスクを冒したくないからこそ本田を起用する。

 何故なら前半は閉じた展開にしたいからだ。ワールドカップのスタートとなる試合で、まずは様子を見る。初戦はいつも特別だ。どのチームもリスクを冒そうとはしない」

――特に前半はそうですね。

「だから本田のような選手を使って(リスクを回避しながら)ボールのキープを試みる。チームに守備の壁を作るには、本田は極めて有効だ。そして後半になったら、乾や武藤、柴崎のような違いを作りだせる選手を投入して勝負をかける。しかし前半は、クラシックな陣形で臨むのではないか」

カウンターが上手いチームにポゼッションで挑む危険。

――その選択の幅は、パラグアイ戦を経てずっと広がったのではありませんか?

「それは間違いないが、日本の勝利はコレクティブによってのみ得られる。個の違いを作り出せる選手がいるにせよ、コロンビアとはレベルが違う。コロンビアにはドリブルで相手を切り裂ける選手が3~4人いるが、日本はそうではない。グループリーグ突破の可能性を私はフィフティ・フィフティと考えているが、それは初戦の結果による。

 そしてもうひとつは、日本がどんなプレースタイルを選択するかだ。

 ここまで西野監督が一貫して追求してきたのは、日本式のショートパスを繋ぐスタイルだ。それは少し危険な哲学だといえる」

――どういうことですか?

「ポゼッションには常にカウンターの危険が伴う。コロンビアやセネガルといったカウンターを得意とするチームに、ポゼッションのスタイルで臨むのは大きなリスクがあるということだ」

【次ページ】 「ショートパスのスタイルは、間違った戦略である」

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