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トルシエが考えるW杯のスタメンとは?
「パラグアイの勝利は何も保証しない」
posted2018/06/17 07:00
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Takuya Sugiyama
ワールドカップ前の最後のテストマッチとなったパラグアイ戦に快勝したことで、日本中がほっと一息ついたのは想像に難くない。これで日本も、ワールドカップで何とか戦えると。閉塞的な状況に一筋の光明が見いだされたのが、パラグアイ戦の勝利であった。
だが、フィリップ・トルシエは、この勝利は日本にとって何の保証にもならないという。
その真意はいったいどこにあるのか。
はたして日本は、ワールドカップ初戦のコロンビア戦に向けて展望が開けたのか……。
独自の分析を語るトルシエの言葉には常に力がある。ちなみに筆者(田村)は、オーストリア合宿取材とイビチャ・オシム、フィリップ・トルシエとの対話から、西野朗監督が何をめざし、どんな戦いを挑もうとしているかをほぼ理解することができた。もちろん誤解や思いこみもあるだろうが、核心の部分であまり間違っていないと思っている。
そう難しいことではないので、読者の皆さんもちょっと考えて欲しい。
西野ジャパンがここまで試合で試したことと、オシム、トルシエの言葉、そして西野朗という人物がこれまでどういう経歴を辿ってきたかを踏まえれば、自然と結論は導き出されるだろう。
今回のコラムは、トルシエに聞いた最新の日本代表にまつわる対話をお伝えする。
パラグアイ戦では対戦国のスカウトを欺けたはず。
――ワールドカップ準備の最終試合として、昨日のパラグアイ戦をどう見ましたか?
「思うに西野監督はリザーブチームを先発させた。彼は選手たちに時間を与えメッセージを発した。つまり出場の機会のあまりない選手、先発では出場していない選手たちに、彼らのことも頼りにしているから、グループの一員としてプレーする機会を彼らにも与えると。
そして彼はグループを守りたかった。日本の最終戦を視察に来た人たちの目を欺きたかったのだろう。とりわけ対戦相手国のスカウトたちの目を。
試合には勝ったが、その試合はとてもレベルが低く低調だった。パラグアイはワールドカップに出場しない。選手たちはバカンスに行くよりは試合に出た方が良いという程度だった(笑)」