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NYの子供達まで絶賛する“二刀流”。
「大谷翔平は偉大な選手になるよ!」 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byAP/AFLO

posted2018/05/31 07:00

NYの子供達まで絶賛する“二刀流”。「大谷翔平は偉大な選手になるよ!」<Number Web> photograph by AP/AFLO

“ベーブ・ルースの建てた家”ヤンキースタジアムでも注目された大谷翔平。野球の本場で二刀流ブームを起こせるか?

「練習日程」に興味津々のプロ志望の大学生。

 現在、19歳のJC.ボニーラくんは、ペンシルバニア州にあるラッカワナ大学の野球部で投手を務める。190cmを超える長身で、将来はプロ志望と話す。

「オータニは日本で圧倒的な存在だった。たった2カ月でアメリカでも圧倒的な存在になった。違う国で活躍できるのは本当にすごいこと」と大谷の適応力を評価する。

「投手としては隙がないし、打撃練習でもスタンド上段にぽんぽん飛ばす。いつも全力でプレーするし、集中力もすごい。相手ピッチャーが崩れて、それでフォアボールで塁に出ても納得しないで悔しそうな表情を見せたり、そういう姿も素晴らしい。野球少年の憧れの存在だと思う」

 大谷の出現によって二刀流の選手は増えるのだろうか。

「自分もバッティングが好きだったけれど、プロに行きたかったらどちらかに絞ったほうがいいと言われて、投手一本にした。アメリカではプロを目指す選手には二刀流という道は拓かれていない。もちろんチームにとっては、二刀流の選手がチームにいれば、ロスターに入れられる選手が増えるから、チームにプラスになるけれど、誰にでもできることじゃないから」と大谷がいかに稀有な存在か説明してくれた。

 そして、「もしオータニに会えたら、『投打のバランス、休養日、練習日、練習に臨む姿勢などを質問してみたい。自分に厳しく、自己鍛錬している選手だと思うので、とても興味があるんだ」と話してくれた。

実質的な「二刀流のパイオニア」としての期待。

 メジャーで二刀流選手がプレーするのはベーブ・ルース以来、約100年ぶり。

 ジェイダンくんは「二刀流の選手? ずっと昔にいたらしいけど、僕は見たことがないから知らない」と話すが、実際にベーブ・ルースのプレーを見たことがある人はもうほとんど存在しない。現代の野球少年たちにとって「二刀流=オータニ」という絶対的な存在であることはまちがいない。

 今後、二刀流を目指す選手が増えるのか、アメリカの野球界が大谷の活躍を受けて二刀流選手の育成に興味を持つのか、今後の展開が気になるところだ。

 メジャーで二刀流という道もある、どちらも秀でていれば両立する道がある、と大谷が野球少年に気づかせたことで、今後、アメリカの野球に何らかの化学反応が起こりそうな、そんな予感がしてならない。

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