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大谷翔平は日々アメリカを学習中!
「打たれても打たれなくても経験」
posted2018/05/31 17:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
AP/AFLO
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が現地時間5月30日(日本時間同31日)のデトロイト・タイガース戦に今季8度目の先発。4回には降雨で試合が中断するアクシデントもあったが、5回もマウンドに上がるとメジャーでの自己最速となる101.1マイル(163キロ)をマーク。6回のエンゼルスの攻撃中に2度目の中断がありそのまま降板。5回83球を投げ3安打5奪三振1失点で5勝目はお預けとなった。
日本ではあまり見られない光景だった。
「あまり経験はないので、結果的に1回目の中断から2回目(のマウンド)にいきましたけど、打たれても打たれなくても自分にはいい経験になったんじゃないかと思います」
4回を三者凡退に退けてベンチに戻ると激しい雨のために試合が中断。マイク・ソーシア監督から何かを指示された大谷は、グラブを持ってベンチ裏へと消えていった。
日本では1度、雨が降りだせばなかなか止むことがないので、ほぼ中止が決定される。それだけに先発投手がこうして、中断中に調整を強いられるケースはほぼ皆無に近い光景でもあるが、メジャーでは違う。
激しく振った雨が短時間でサッと上がる独特の気候。だからメジャーでは試合が中断しても、なかなか中止にはならない。そこで中断時間も見ながら先発投手は、何らかの方法で中断のブランクを埋める工夫をしなければならないのである。
雨による中断後、さらにパワーアップした大谷。
「最初は1時間以上中断するんじゃないかというので、気持ちも切って、着替えて2回目の先発にいく気持ちでいこうかと思っていたんです。でも、案外早めに投げることになったので、それはそれで良かったかなと」
中断時間は25分。5回表のエンゼルスの攻撃から試合が再開されると、逆にパワーアップした大谷が、マウンドに登った。
この回先頭の8番、ホセ・イグレシアスには初球に113キロのカーブから入って2、3球目はスライダーで3球三振。続くディクソン・マチャド内野手をスプリットで中飛に打ち取りあっさり2死とした。
しかし1番に戻ってレオーニス・マーティン外野手に四球、2番のニック・カステヤノス外野手には1ボールから128キロのスライダーを左前に運ばれ、味方のまずい守備もあり二塁打となって2死二、三塁のピンチを背負った。
だがここでギアが上がる。