フランス・フットボール通信BACK NUMBER
バルセロナが沈みゆく当然の理由。
臆病な監督、高齢化、ネイマール。
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph byRichard Martin
posted2018/05/03 17:00
最近、キャリア通算1000ゴールを達成したと報じられたメッシ。彼の一層の進化、もしくは後継者が、いま必要とされている。
バルベルデはスタメンを頑なに固定。
どれほど試合を繰り返しても、バルベルデはスタメンをほとんど変えていない。
基本布陣は、GKテア・シュテゲン、DFセルジ・ロベルト、ピケ、ウムティティ、ジョルディ・アルバ、MFブスケッツ、ラキティッチ、イニエスタ、FWメッシ、スアレス。
この10人が、バルベルデが今季ほぼどの試合でもスタメンに並べている主軸の選手たちである。イニエスタを除く全員が、8月のシーズン開幕から3000分以上ピッチに立ち続けている。
とりわけチームの大黒柱であるラキティッチは、バルサの全51試合中欠場はわずか2試合のみである。パウリーニョやデンベレ、アンドレ・ゴメス、ネウソン・セメド、コウチーニョ(1月以降)らが最後の11人目のポジションを占めたが、誰もスタッフの心、スタメンの布陣を変えるまでには至らなかった。
決戦を前にバルサは消耗しきっていた。
CL再開前の1月の過密日程(コパデルレイ5試合とリーガ4試合)は、選手たちの体力を消耗させた。
CLでの戦いという“マネータイム(稼ぎ時)”が到来したとき、その揺るぎなきスタメン達、“バルベルデの親衛隊”(エル・ムンド紙)にはもはや一滴のガソリンも残ってはいなかった。
ピケはエディン・ジェコにPKを与え、他の場面でも相手の攻撃陣にしばしば後れを取った。
イニエスタとメッシのふたりも精彩を欠き、2009年CL決勝でクリティアーノ・ロナウドのマンチェスター・ユナイテッドを破ったオリンピコで、何のインスピレーションも見せることができなかった。