フランス・フットボール通信BACK NUMBER
バルセロナが沈みゆく当然の理由。
臆病な監督、高齢化、ネイマール。
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph byRichard Martin
posted2018/05/03 17:00
最近、キャリア通算1000ゴールを達成したと報じられたメッシ。彼の一層の進化、もしくは後継者が、いま必要とされている。
今のメッシは、副官のいないリーダーだ。
この冬からメディアが話題にしているのが、アントワン・グリエスマンのバルサ移籍である。だが、それは、多くの疑問符をクラブ内部やメディア、サポーターの間に浮かび上がらせた。
人々の口から最も頻繁に発せられたのが次の疑問であった。
「どうすればバルサの攻撃陣の中に、彼をうまく組み込むことができるのか?」
だが、メッシとスアレスが前線で孤立し、何のインスピレーションも発揮できなかったローマでの惨敗以来、そうした懐疑論は影を潜めた。
グリエスマンの加入によりメッシは、ネイマールのPSG移籍で失った前線での味方との連携を回復することができる。
ネイマールが2得点1アシストの活躍を見せたPSGとの「レモンターダ/逆転(2017年3月8日、CLラウンド16第2戦、6-1で勝利したバルサが、2試合合計でも6-5として準々決勝に進出)」以来、彼は試合の「主役」としての自覚を深め、シーズンの最も重要な時期に調子を落としたメッシとは好対照にチームの大黒柱として存在感を示していた。
フランス代表でもまたアトレティコ・マドリーでも、グリエスマンは超一流のタレントであることを幾度となく証明している。
彼ならメッシとうまくやれる。
バルサのロッカールームのリーダーたちも、もろ手を挙げて歓迎するだろう。