フランス・フットボール通信BACK NUMBER
バルセロナが沈みゆく当然の理由。
臆病な監督、高齢化、ネイマール。
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph byRichard Martin
posted2018/05/03 17:00
最近、キャリア通算1000ゴールを達成したと報じられたメッシ。彼の一層の進化、もしくは後継者が、いま必要とされている。
戦術的限界を露呈したローマ戦。
ベンチのバルべルデはローマが攻撃の矢を突き刺すたびに茫然自失の表情を浮かべ、チームに新たなエネルギーを注入しスコアを覆す方法を何も見いだせなかった。
最初の選手交代は81分、イニエスタに換えアンドレ・ゴメスを投入したが、それはローマのマノラスが2試合合計で準決勝進出を決めるゴールをあげるわずか1分前だった。
ウスマン・デンベレとパコ・アルカセルが投入されたのはさらにその3分後(85分)である。
遅きに失した交代は彼の戦術的限界を露呈し、スタメンの11人ばかりにこだわってグループとしてのトータルな戦略が欠けていることの証明に他ならなかった。
ネイマールの穴は埋められず!?
たしかにネイマールのパリ・サンジェルマン移籍は、バルサにとって大きな損失ではあった。
4-3-3から4-4-2へのシステム移行は、その欠落を埋めるためにバルベルデが示した唯一の解決策であった。だが、そのシステムにおいて、バルベルデは切り札となり得るデンベレのパフォーマンスをあまり評価していなかった。
デンベレをスタートから起用していたらどうなっていただろうかと、想像せずにはいられない。
その場合、セルジ・ロベルトがネウソン・セメドのポジションに下がり混乱していた右サイドのディフェンスが安定し、ローマのブロックを後退させていただろう。
自分たちの攻撃力を強化することで、相手の攻撃を弱めることができたはずだ。