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平山相太の愛されすぎ“怪物伝説”。
マック禁止、看板キック、投げキス。 

text by

木本新也

木本新也Shinya Kimoto

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photograph byGetty Images

posted2018/03/07 17:00

平山相太の愛されすぎ“怪物伝説”。マック禁止、看板キック、投げキス。<Number Web> photograph by Getty Images

規格外の体格と、言動。将来を嘱望された頃とは違う立ち位置だが、平山もまた日本サッカーの1ページに刻まれる選手だ。

それでも平山は大一番で輝く男だった。

 もちろん、ピッチ内でのインパクトも抜群だった。高校選手権歴代最多17ゴール、A代表デビュー戦となった'10年1月6日のイエメン戦でハットトリック、国立競技場で通算24得点。'09年11月3日のナビスコ杯(現ルヴァン杯)決勝の川崎フロンターレ戦で優勝を決定づける追加点を決めるなど、記録にも記憶にも残るゴールを積み重ねた。

 高い期待値の裏返しで、ノーゴールに終わった試合では批判も集中した。反町ジャパンで結果が出なかった試合では、筆者も番記者としてプレー内容を問わず「平山、不発」と書き続けたが、本人からクレームを受けたことは1度もない。懐が大きく、常に自然体。飾らない姿を貫いてくれたからこそ、数多くの面白エピソードが生まれたに違いない。

小嶺総監督からの言葉を胸に仙台大へ。

 平山が大切にしている言葉がある。

「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」

 国見高卒業時に小嶺忠敏総監督から贈られたもので、徳行が深まるほど、その人柄や態度が謙虚になることの例えだ。高校時代にゴールを量産して、若くしてスター扱いされた。自分を見失いかけた時に恩師から渡されたメッセージ入りの手紙は、今も大切に保管している。

 今後はプロの指導者を目指して仙台大に進学する。教員免許、指導者ライセンスの取得に力を注ぐ。

 3月3日のFC東京vs.仙台戦後に行われた引退セレモニー後の会見でのことだ。平山は自らのチャントが16歳の久保建英に受け継がれていることに対し、「恐縮ッス」と反応して報道陣の笑いを誘った。最後まで“相太節”は健在だった。

 規格外のプレーと予想外の言動で周囲を魅了し続けた長身FW。誰からも愛されるキャラクターを生かして、既存の枠にとらわれない新たな指導者像を築いてくれると信じている。

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