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川口能活と西ヶ谷隆之の清商イズム。
高校時代の先輩後輩が監督と選手に。
posted2018/02/20 11:30
![川口能活と西ヶ谷隆之の清商イズム。高校時代の先輩後輩が監督と選手に。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/b/1500wm/img_7bf22c8a0a6e140a35458d6f009c157b251275.jpg)
川口能活をSC相模原に呼んだ望月重良代表も清水商業の先輩であり、清水商業に入る前からの長い付き合いなのだ。
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![戸塚啓](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/3/7/90/img_37c8e9203c8fa7b898f88a9f8471dbc79774.jpg)
戸塚啓Kei Totsuka
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J.LEAGUE PHOTOS
高校時代をともに過ごした先輩と後輩が、20数年後に監督と選手の関係になる。
同じ高校にルーツを持つだけならともかく、同時期にプレーしたとなるとあまり多くはないケースだろう。監督が「青年」と形容される若さでチームを託されたか、選手が「大ベテラン」と呼ばれるまで現役を続けていなければ、実現しない組合せと言っていい。
J3リーグのSC相模原に、そんなふたりを見つけることができる。
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昨シーズンまで水戸ホーリーホックを率い、今年から監督となった西ヶ谷隆之とGKの川口能活は、静岡県の名門・清水商業高校サッカー部で3年と1年の関係だったのだ。
中学時代にジュニアユース代表に選ばれていた川口は、1年生からレギュラーに抜擢される。ゴールマウスに立つ下級生を何かと気にかけたのが、3年生の西ヶ谷だった。クレバーなセンターバックの彼は、ディフェンスリーダーの役割を担っていた。
「GKとセンターバックだったということはもちろんあるんですけど、すごく助けてもらったんですよ。1年生の僕が、伸び伸びとできるように持っていってくれた」と川口は話す。
記憶力が抜群な彼の頭のなかでは、ともにゴールを守ったゲームがくっきりと像を結んでいるようだった。
世代別代表でもチームメイトになったが。
2学年上の先輩は、「助けたなんてことは、ないですけどね」と控え目だ。
「ポジションが近いから話すのは当たり前ですし、1年生だからといって遠慮したらヨシカツの良さが出ない。だから、思い切ってどんどんやれよと言ったぐらいです」と、サラリと振り返る。
高校卒業後の彼らは、アトランタ五輪出場を目ざす代表チームで再びチームメイトとなる。アジア1次予選では、揃ってピッチに立つこともあった。
しかし、入団2年目の横浜マリノス(現F・マリノス)で定位置をつかんだ川口が五輪代表でも正GKを確保する一方で、筑波大学へ進学した西ヶ谷は西野朗監督が率いるチームに定着できなかった。