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川口能活と西ヶ谷隆之の清商イズム。
高校時代の先輩後輩が監督と選手に。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2018/02/20 11:30

川口能活と西ヶ谷隆之の清商イズム。高校時代の先輩後輩が監督と選手に。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

川口能活をSC相模原に呼んだ望月重良代表も清水商業の先輩であり、清水商業に入る前からの長い付き合いなのだ。

J3はある意味ユースより不自由。

 指導者としての引き出しを増やしてきた西ヶ谷だが、J3を戦うのは今回が初めてだ。SC相模原は自分たちの練習場を持たないため、複数の施設を使い分けなければならない。コーチングスタッフはヘッドコーチとGKコーチだけなので、西ヶ谷自身がフィジカルトレーニングの指示を出すこともある。

 ある意味ではユースや大学よりも不自由を強いられる環境のなかで、前年の12位からトップ5を目ざしてくのだ。簡単なミッションではない。

 3月9日の開幕から12月2日のシーズン終了までの間には、監督が頭を悩ませることもあるだろう。そうした場面では、チーム最年長の清水商の後輩も頼りになるはずだ。'16年に相模原に加入した川口は、J3というリーグも、J3を戦うチームも、すでに体験済みだからである。

ふたりが分かち合う清商イズム。

 ある日の練習後、西ヶ谷が川口を呼び寄せた。監督の話に選手が頷くやり取りが、何度か繰り返される。ああそうかとばかりに、西ヶ谷が首を縦に振ることもあった。西ヶ谷が川口の右肩を叩くのが合図となり、ふたりの会話は終わった。

 西ヶ谷が川口を特別扱いすることはない。川口もそんなことは望んでいない。

 ただ、高校サッカー界に一時代を築いた清商イズムとでも言うべきものを、彼らは分かち合っている。彼らの血には清水商で培われた価値観が溶け込んでおり、苦境に立ったチームを救い上げる要素と成り得るだろう。

 かつて西ヶ谷がグランパスで指導を受けたアーセン・ベンゲルは、チーム作りのメソッドのひとつとしてこんな話をしている。

「チームで一番力のある選手と監督がいい関係にあれば、チームは成長していくものだ」

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西ヶ谷隆之
SC相模原

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