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明徳・馬淵監督は前育に脱帽だが。
「4番の子がかわいそうや……」 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2017/08/16 17:30

明徳・馬淵監督は前育に脱帽だが。「4番の子がかわいそうや……」<Number Web> photograph by Kyodo News

明徳義塾は前橋育英・皆川に封じ込められ、9回に1点を返すのが精一杯だった。

馬淵は負けたら、第4試合でもその日のうちに高知へ帰る。

 ただし、明徳義塾らしい意地も見せた。ハイペースで本塁打が量産され続ける今大会、前の試合まで、16試合連続で本塁打が出ていた。しかし、この試合は1回戦で3本塁打していた前橋育英をノーホームランに抑える。自チームもホームランを打てなかったわけだが、連続試合本塁打記録を16でストップしてみせた。

「今の野球は95パーセントは投手。でも、ホームランを絶対に打たれないコースというのはある。うちは、清宮君(幸太郎=早実)にも打たれんかったんやから」

 2回戦で散り、期待された史上5人目の甲子園50勝はお預けとなった。

「まあ、いつかは、するわ。来年もし選抜大会出たら、その話題で(笑)。明日から練習します」

 馬淵は負けたら、たとえ第4試合であってもその日のうちに高知へ帰る。

「甲子園おったら、いつまでもうじうじ考えるだけ。だったらさっさと帰って、新チームのこと考えたほうがええやろ」

 完敗にも、いつものように、さっぱりと語った。

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