話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
練習環境すら転々、J2讃岐の苦悩。
「このクラブを潰しちゃいけない」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/07/29 07:00
![練習環境すら転々、J2讃岐の苦悩。「このクラブを潰しちゃいけない」<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/700/img_f956e969d26c90cf267cd71b26fd3f83154569.jpg)
元日本代表FW我那覇和樹ら実績のある選手はいる。その経験値を出し尽くせる環境を讃岐は用意できるか。
スタイルを確立して、環境改善の機運を高めるのみ。
「でも、うちにはまだ戦術的に幹になる部分がないんです」
渡邉はそう話した。彼が大宮アルディージャに所属していた頃、守備から入り、カウンターで点を奪って勝つスタイルが徹底された。勝ち続けることでよりスタイルがブラッシュアップされ、強さを増していく。一方、チームの調子が悪くなったとき、自分たちの戦術に立ち戻ってプレーすることで比較的早く、スランプから脱出することができる。
「昨年まではロングボールが多くて、それも意図的というよりも相手に寄られて蹴るみたいな感じが多かったんです。でも、最近は攻撃の作りの部分でよくなってきて、うまくつないで崩せるパターンも見えてきました。そっちの方が自分としてはやりがいがあるし、プレースタイル的にもマッチしている。そこで結果を出していければ、そのやり方で固めていけるので、今は結果がほしいですね」
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たしかにチーム内ではロングボールだけではなく、ボールを握って戦う術も磨きつつある。ゴールも複数取れているし、3点目のようにいい崩しからのゴールもあった。継続していけば形になっていくだろう。
当たり前だがクラブはよりクラブの質を高めていく努力を続け、選手は今、与えられた環境の中で勝利のために最善を尽くすしかない。そうして結果を出し、少しでも上位進出をはたすことができれば環境改善の機運がより一層高まるはずだ。
もちろん、待っているだけではなく、寄付を募る方法を考えたり、スポンサー交渉したり、何かしら動いている様子をファンやサポーター、県民に発信していくことも大事だろう。そういう“流れ”を作っていくことが勝利とともに今、チームに求められているのではないだろうか。
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