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WBC壮行試合で見えた主力の好不調。
小久保監督は“原采配”を見習う時か?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySAMURAI JAPAN via Getty Images
posted2017/03/02 11:50
「モノが違う」と権藤博投手コーチも称える菅野。侍ジャパン投手陣の柱として、活躍が期待される。
則本は強化試合のオリックス戦で様子を見ることに。
則本は、1次ラウンドでは開幕のキューバ戦で第2先発として待機。12日の2次ラウンド初戦に先発の可能性が高いが、台湾との試合では3回で6安打を浴び3失点という内容だった。
「初回の入りを意識しすぎて、うまくかわしていこうと思いすぎた。自分のボールにもっと自信を持って行くべきだった」
こう反省したように、ボール自体はMAXで152キロと球威はあったが「後手後手に回る配球になった」(則本)。ボールを受けた大野奨太(日本ハム)とのコンビネーション不足が打ち込まれた大きな要因だった。
また初回だけで23球を費やすなど、慣れないWBC球がもうひとつ手につかなかったのも、残された課題と言えるだろう。
おそらく5日に京セラドームで行われる最後の強化試合のオリックス戦で調整登板し、そのあたりを微調整して本番に備えることになる。
筒香、山田、坂本ら打線も、調子が上がってきている。
一方、打線の方も4番の筒香嘉智(DeNA)が台湾との2試合でいずれも打点をマークするなど、徐々にではあるが各選手の状態も上がってきている。
第2戦では不振だった1番の山田哲人(ヤクルト)がいきなり先頭打者アーチで復活の狼煙をあげると、同じく無安打だった坂本勇人(巨人)やケガ明けの内川聖一(ソフトバンク)らにも待望の1本が生まれた。また8番に起用された田中広輔(広島)が二塁打を含む3安打という活躍を見せて、遊撃の坂本の控えだけでなく松田宣浩(ソフトバンク)に代わる三塁での先発などチームとしてのオプションも増えた。
3日の阪神戦からは青木宣親(アストロズ)も加わり、実戦を想定した最終的なチェックを行う予定だが、チームとしては投打に何とか滑り込みで臨戦態勢が整う見込みが立ってきたようだ。