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WBC壮行試合で見えた主力の好不調。
小久保監督は“原采配”を見習う時か?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySAMURAI JAPAN via Getty Images
posted2017/03/02 11:50
「モノが違う」と権藤博投手コーチも称える菅野。侍ジャパン投手陣の柱として、活躍が期待される。
中田翔の状態が上がらないなら……。
「腹をくくって、覚悟を決めて戦いたい」
こう語ったのは菅野だ。
2009年の第2回大会では、この菅野の伯父に当たる原辰徳監督が、指揮をとって世界一連覇を果たしている。
この時にはメジャーリーガーからはイチロー(当時マリナーズ)が参加し、原監督は開幕前から3番での起用を公言していた。ところが直前の強化試合でイチローが想定外の絶不調に苦しむと、開幕ではそれまで宣言していた3番から1番へと打順を変更。その後もスランプに苦しむ中で使い続けて、韓国戦との決勝戦の延長10回、あの劇的な勝ち越しタイムリーにつなげた。
「腹をくくって、覚悟を決めて」動くべきところは動き、そして我慢するところは我慢してチームをマネジメントした監督の采配だった。
「基本的にクリーンアップは動かさない。彼が打たなければ筒香が生きない」
1日の台湾との第2戦を終えて、5番に起用する中田翔(日本ハム)の状態が上がってきていないことを聞かれた小久保監督は、改めてこう語っている。
もちろん残り2試合で中田の状態が上向けばいいが、それでも低空飛行が続くのなら……。
他の選手の状態は上がってきている。
ならば小久保監督も「腹をくくって、覚悟を決めて」動く時が来るのかもしれない。