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「プレッシャーのない仕事などない」
最下位・湘南の曹監督、奮起の言葉。

posted2016/05/18 12:00

 
「プレッシャーのない仕事などない」最下位・湘南の曹監督、奮起の言葉。<Number Web> photograph by Shonan Bellmare

攻撃の形は試合を重ねるにしたがって良くなっている――あとは、僅差での負けを勝ちに変える最後のひと押しなのだが……。

text by

曹貴裁

曹貴裁Cho Kwi-Jae

PROFILE

photograph by

Shonan Bellmare

 Jリーグの監督は、目の前の試合に対してどんな準備をし、結果をどう受け止め、そしてどんな思いで次の試合に向かうのか……。
 本連載では、湘南ベルマーレを率いる曹貴裁監督が、試合に臨むまでの過程を記した前週の日記と実際の試合結果を受けての胸中を同時に紹介。
 悩み、考え、決断する監督のリアルな声を毎週お届けします!
 今週の日記に綴られたのは、「攻撃を意識して臨んだ福岡戦」の内実です。

*本連載ではチョウ・キジェ監督の氏名表記方法につきまして、湘南ベルマーレとの協議により「曹貴裁」と統一いたします。

<第12節・福岡戦前週の監督日記>

●5月11日(水)

 FC東京戦に敗れ、改めてこのゴールデンウィーク3連戦をデータで振り返ると、この3連戦の前までは得点自体も少なくなく、ペナルティエリアに進入する回数はリーグ6位、アタッキングサードの30mラインに進入する回数も7位という順位だった。ただこの3試合に関してはそれら攻撃のデータが著しく下がり、14位前後になっていた。一方の守備はここ5試合で2失点と、最後のところで相手の攻撃を止めることやプレッシングをすることで相手に危険なエリアでボールを持たせないという部分は戦術的に改善することができている。そのことと併せて考えると、やはり攻撃、ボールを持った時に課題があると認識せざるをえない3試合だった。

 そういう流れを受けて今日、そして明日以降の練習は「どんなことがあってもこういう練習をしよう」というものを決めている。前にボールを運ぶこと、そのためのアングルを作る動き出し、そして奪ったボールを素早く縦に、できればワンタッチで入れること。これらはずっと求めてきたことだけど、ここ数試合は選手がボールを奪ったところで安心してしまって、次の攻撃に対するエネルギーが少し減っていると感じていた。だから改めて自分達のスタイルを思い出すことに集中して取り組むことにしている。

 僕が決めたことをミーティングで伝え、それをやっていくというのは詰め込み式の受験勉強みたいなやり方で、本来は選手に考えさせながらやるべきなんだが、どこか片方の翼だけで飛んでいる飛行機のような、居心地の悪いまま練習をさせたくなかった。今日も約2時間練習をやったが、ボールを持った時のアイディアや攻撃時に前へ出て行く選手の人数、そういう部分ですごく手応えを感じたし、何より選手が非常に楽しそうな雰囲気でプレーしていた。

【次ページ】 「自分たちのサッカーってこういうものだよな」

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