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CBにオーバーエイジ枠は使わせない!
岩波、植田、奈良の三つ巴の行方は。 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byAFLO

posted2016/04/17 11:00

CBにオーバーエイジ枠は使わせない!岩波、植田、奈良の三つ巴の行方は。<Number Web> photograph by AFLO

岩波と植田、そしてボランチの遠藤航でつくるトライアングルはU-23の生命線だ。

岩波はビルドアップ、植田は強さ、では奈良は。

 最終予選で3試合に先発し、川崎でもレギュラーポジションを掴んだ自信がそうさせるのか、清水との練習試合では、これまでのディフェンスリーダー岩波よりもコーチングの声を響き渡らせ、強気なラインコントロールを仕掛けるシーンが目立った。

「岩波はビルドアップがうまいし、高さもある。植田には強さと高さがある。彼らに勝てない部分があることを謙虚に受け止めながら、じゃあどこで勝負していくかというと、声で周りをうまく動かしてチームを機能させないといけない。チームの闘争心を掻き立て、陣形をコンパクトに保たせるのは、自分が生き残るために意識しています」

 神戸で'13年からレギュラーを張り、U-23日本代表の副キャプテンを務める岩波が胸に秘めるのは、最終予選で味わった悔しさである。

 キャプテンの遠藤航に続いて不動の存在との自負があったが、出場権獲得の懸かったイラクとの準決勝で待っていたのは、まさかのベンチスタートの通告だった。さらに、満を持して出場した決勝でも、韓国に2点を与えてしまう。

「準決勝に出られなかった悔しさは一生忘れないと思うし、決勝でも2点とも自分のミスでやられたと思っている。まだまだ足りないと感じたから、優勝しても満足できなかった。もっと良いプレーをして、五輪で悔しさを晴らしたいと思っています」

オーバーエイジ枠はセンターバックの起用が多い。

 最終予選は23人の登録だったが、本大会では18人しか登録できない。静岡合宿を終え、手倉森監督は「これからは絞り込む作業に入る」と宣言をした。だが、この先センターバックのポジション争いに参戦してくる選手がいないとは言い切れない。

 オーバーエイジの存在である。

 オリンピックの男子サッカーにオーバーエイジが採用されるようになったのは、日本が28年ぶりにオリンピック出場を果たした1996年のアトランタ大会からだ。

 それ以降、日本は5大会連続して出場し、3大会でオーバーエイジを起用しているが、そのうち2大会でオーバーエイジにセンターバックを選んでいる。2000年のシドニー大会の森岡隆三と、2012年のロンドン大会の吉田麻也だ。

【次ページ】 オーバーエイジを呼ばせないぐらい「逞しく」。

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