Jをめぐる冒険BACK NUMBER
CBにオーバーエイジ枠は使わせない!
岩波、植田、奈良の三つ巴の行方は。
posted2016/04/17 11:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
AFLO
センターバックにはオーバーエイジは必要ない――そんな心の中の叫びが聞こえてくるようだった。
4月11日から3日間行なわれたU-23日本代表候補の静岡キャンプ。「メンバー選考を広げるのはこれが最後」と手倉森誠監督が宣言したように、この合宿には1月のリオ五輪アジア最終予選に参加していないニューフェイスがたくさん呼ばれた。
ケガ人が続出中のサイドバックにはFC東京の小川諒也(19歳)やサガン鳥栖の三丸拡(22歳)が、中盤にはFC東京の橋本拳人(22歳)やアルビレックス新潟の小塚和季(21歳)が、前線には横浜F・マリノスの富樫敬真(22歳)がそれぞれのポジションに刺激をもたらした。
そうした中にあって、既存の選手たちが激しく火花を散らし、ハイレベルなポジション争いを繰り広げているポジョションがある。ヴィッセル神戸の岩波拓也(21歳)、鹿島アントラーズの植田直通(21歳)、川崎フロンターレの奈良竜樹(22歳)の3人がふたつのイスをめぐって争うセンターバックだ。彼らはいずれも今季、レギュラーとしてJ1開幕からリーグ戦全試合に出場している。
このポジションには今回、清水エスパルスの三浦弦太が'14年12月以来、1年4カ月ぶりに選出されてもいる。21歳ながら清水ではレギュラーとして、J2全7試合にフル出場し、13日に行われた自チーム相手の練習試合でも及第点のプレーを見せたが、それでも3人の牙城を崩すのは簡単ではないと思わせるほど、“常連”たちは風格を感じさせた。
岩波と植田に、最終予選で奈良が参戦し三つ巴に。
'11年U-17ワールドカップでコンビを組んだ岩波と植田が一歩リードしていたかに見えたセンターバックの序列が崩れたのは、最終予選が開幕してからだった。
過密日程を戦い抜くためにターンオーバー制が採用され、出場機会が与えられた奈良が対人プレーの強さと果敢なラインコントロールで存在感を誇示。こうしてセンターバックのポジション争いは、三つ巴の様相が一気に強まった。
その争いがここに来てさらに熾烈に見えるのは、昨季はクラブで出番に恵まれなかった植田と奈良が今季レギュラーポジションを掴み、自信を膨らませているからだ。