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なでしこも油断できない五輪最終予選。
アジアの女子サッカーはハイレベル! 

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栗原正夫

栗原正夫Masao Kurihara

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posted2016/02/28 10:50

なでしこも油断できない五輪最終予選。アジアの女子サッカーはハイレベル!<Number Web> photograph by AFLO

2015年11月、親善試合での大儀見優季。レジェンド・澤穂希のつけていた背番号10を今大会から受け継ぐ。

「とくに初戦の入りの部分が大事になる」

 昨年のカナダW杯では、経験値を生かして、苦しみながらもなんとか勝ち切るなでしこジャパンの勝負強さが光った。一方で、若手が躍動した中国やオーストラリア、韓国の健闘も目についただけに、その伸びシロを考えれば近年の力関係はいつ逆転されても不思議ではなく、その状況は不安を加速させる。

 DF熊谷紗希は予選に向け、こう話す。

「オーストラリア、韓国、中国と中1日で続く最初の3連戦がすごい大切で、そこをしっかり勝ち抜ければ(突破が)見えてくる。なかでも、とくに初戦の入りの部分が大事になる」

 パワーとスピードを武器にするオーストラリアはなでしこジャパンが苦手とする相手であり、直近の3度の対戦では、日本が2勝1分けと勝ち越しているものの、終了間際に決着した昨年のW杯での準々決勝がそうだったように内容的にはどの試合もどちらが勝ってもおかしくない拮抗したものだった。それだけに、予選突破に向けて最も重要な試合ともいえる。

北朝鮮には5年以上勝てていない。

 不気味なのは、第3戦の相手中国だ。昨秋、'12年ロンドン五輪でなでしこジャパンとも対戦した前フランス代表監督のブルーノ・ビニ氏を指揮官に招き、12月には敵地で世界ナンバー1のアメリカに1-0と勝利するなど、勢いに乗っている。

「アメリカに勝ったことを考えれば、日本やオーストラリア、北朝鮮に勝てない理由はない」(ブルーノ・ビニ監督)

 そして、最終戦の相手である北朝鮮に対して、なでしこジャパンは'10年11月を最後に一度も勝てていない(2分け2敗)。昨夏の東アジア選手権に日本は若手主体で参加したとはいえ、優勝した北朝鮮には内容でも完敗だった。

 予選突破に向けては当然だが、ゴールが必要になる。

 その点では、昨年のカナダW杯でも試合終盤に投入され、ジョーカー的な役割を担ったFW岩渕真奈、澤の引退で空いた背番号10を佐々木監督から直に託され、それを承諾し新たなモチベーションを手にした感のあるFW大儀見優季に期待がかかる。

【次ページ】 窮地で底力を発揮してきたなでしこ。

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