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なでしこも油断できない五輪最終予選。
アジアの女子サッカーはハイレベル!
posted2016/02/28 10:50
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
AFLO
サッカー女子のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選が2月29日に大阪でスタートする。出場は6チーム。10日間で総当たりのリーグ戦を行い、上位2チームが五輪への切符を手にできる。
1月にカタールのドーハで行われた男子の最終予選(AFC U-23選手権)が、16チームに対し3つの出場権が与えられたことを考えれば、女子は随分楽なレギュレーションに思えるかもしれない。なでしこジャパンは昨年のカナダW杯で準優勝しているうえに、直近の世界大会では3大会連続で決勝に進出している事実を見れば、なおさらだ。
ただ、女子サッカーにおけるアジアのレベルは男子とは比較にならないほど高く、昨年のW杯でも日本のほか、オーストラリア(ベスト8)、中国(ベスト8)、韓国(ベスト16)が決勝トーナメントに進出している。
また、'11年ドイツW杯でドーピング違反がありカナダW杯に出場できなかった北朝鮮もFIFAランキングは6位と、最終予選出場チームの力は拮抗している。唯一、明らかに力が劣っているとみられるのがベトナムだが、そのベトナム戦はどのチームも勝利を計算してくると思われるだけに、そこでどれだけゴールを挙げられるかが得失点差の勝負になったときに明暗を分けることになり兼ねない。つまり、なでしこジャパンにとって気の抜ける試合など1つもないわけである。
ベテランが多いという気がかり。
その予選に臨むメンバー20人が25日に発表された。選出が有力視されていた海外組の安藤梢(エッセン)、宇津木瑠美(モンペリエ)がコンディション不良で外れたのは、中1日から2日で試合が続く連戦のなかGKを除くフィールドプレーヤーを17人しか招集できず、起用できない選手が出るリスクを回避したかったからだろう。
また、佐々木則夫監督が就任した'08年以降、これまで長くなでしこジャパンをけん引してきたレジェンド澤穂希を欠いて、初めて世界大会の予選に臨むことが話題になっているが、それ以上に気になるのは'11年ドイツW杯で優勝したメンバーに代わる若手の台頭が相変わらず見られないことである。
昨季限りで、澤のほかに長く正GKとして活躍した海堀あゆみが引退したものの、今予選のメンバー20人のうち14人はドイツW杯時のメンバーで、主力の多くは30代前後になった。アジア予選ではもはやお馴染みの過密日程とはいえ、ベテランが多いのは気がかりだ。