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“アギーレ通”が2試合を徹底解説。
安永聡太郎が語る「らしさ」と「疑問」。

posted2014/09/12 16:30

 
“アギーレ通”が2試合を徹底解説。安永聡太郎が語る「らしさ」と「疑問」。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

クラブ、代表の監督として様々な「ミッション」を成し遂げてきたアギーレ監督。日本サッカー界に、彼はどんな足跡を残すのだろうか。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph by

Takuya Sugiyama

 9月のウルグアイ、ベネズエラ戦で船出したアギーレジャパン。

 結果は1分け1敗の未勝利に終わったものの、「4-3-3」「堅守速攻」「新戦力の台頭」など話題はたくさんあった。

 WOWOWのリーガ・エスパニョーラ解説者を務める安永聡太郎氏は、業界きってのスペインサッカー通としても知られる。分かりやすい丁寧な解説に、ファンも多い。

 横浜F・マリノス、清水エスパルスなどでフォワードとして活躍した現役時代、スペイン2部のレリダ、ラシン・デ・フェロールでもプレーし、2005年に引退してからも、リーガ・エスパニョーラを隈なくチェックしてきた。

 オサスナ、アトレティコ・マドリー、サラゴサ、エスパニョールとスペインを渡り歩いてきたハビエル・アギーレのサッカーも隈なく見てきた安永氏の目に、アギーレのチームづくりはどのように映ったのか――。

皆川はミロシェビッチ、柴崎はベルドゥのイメージ。

――安永さんと言えば「スペイン」のイメージが強いです。日本サッカー協会公認S級コーチを取得するカリキュラムの海外研修でもスペインに行かれたとか?

「そうなんです。ラージョ・バジェカーノ、ビジャレアル、バレンシアを回ってきました。スペインのサッカーを現場レベルで学ぶことができましたし、いろいろと勉強になりました。できればもっと長くいたかったですね」

――まず新生日本代表のこの2試合を見て、率直な感想からいただきたいのですが。

「僕はA代表でやった経験も、海外のトップレベルでやった経験もないんで、あくまでアギーレさんのサッカーを見てきた立場というスタンスで話をしたいかなと思います」

――わかりました。

「堅守速攻型というイメージはそのままですね。ウルグアイに対してはサボ・ミロシェビッチに近いタイプの長身FWの皆川選手を3トップのセンターに起用して、どちらかと言うとオサスナに似ていたかな。ベネズエラに対しては万能タイプの大迫選手を起用していて、後半からは裏に抜け出せる岡崎選手を入れましたけど、これはエスパニョールのセルヒオ・ガルシアに近い。

 それにインサイドハーフに入った柴崎選手は、アギーレさんのエスパニョール1年目にトップ下でプレーしたベルドゥのイメージと重なるところがありました。だからエスパニョールに似ているなって思いましたね。同じ4-3-3でも人の配置で、いろんなことを試しているなという印象。でも今ひとつ分からないのは、何故4-3-3にしているのかってことですね」

【次ページ】 なぜあまり使ったことのない4-3-3だったのか。

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