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オランダを押し込んで2-2ドロー!
甦ったザックジャパンの“2つの顔”。
 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/11/17 12:10

オランダを押し込んで2-2ドロー!甦ったザックジャパンの“2つの顔”。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

オランダ戦で1トップに抜擢され、すべての得点に絡む活躍を見せた大迫。Jリーグでも31節終了時点で18得点を記録している。

立ち上がりから期待感はあった。

 立ち上がりから期待感はあった。

 連動した守備からマイボールにして裏を突く、コースが空いたらシュートを狙うという意図は明確に見えた。先発に抜擢された大迫勇也、山口螢が続けざまにシュートを打ち、岡崎慎司も続く。クサビのパスからワンタッチでサイドに出して、スピーディーに攻め立てようとするなど、「サイド」「スピーディーなパス」「縦に速く」を織り交ぜながら、強豪相手に主導権を握ろうとした。押し込まれるであろうロッベンのサイドを逆に押し込もうとしたのも悪くなかった。

 だがさすがにオランダの手当ても素早い。

 日本の連動した守備をはがすべく、4-3-3の中盤2枚ファンデルファールトとストロートマンがワイドに高い位置を取ってくる。日本がそのケアを余儀なくされると中央のスペースがガラリと空き、パスを受けたアンカーのナイジェル・デヨングから好きなようにボールを配給される展開が続くことになる。

また同じことが繰り返されるのか――。

 幅を使って広げられ、サイドチェンジの速い揺さぶりから次第にペースはオランダのほうに移行する。

 前半13分に内田篤人のクリアミスからファンデルファールトに先制点を決められると、同39分には左サイドのレンスからファンデルファールトに渡り、右サイドのロッベンにポンポンとつなげられてしまう。中に入ってくる場合のロッベン対策として長谷部誠が左ボランチに配置されていたものの、お構いなしにグイグイと切れ込んでくるロッベンに追加点となるミドルシュートを叩き込まれた。

 まずまずの立ち上がりから点を挙げられずに、逆に失点するというパターンはこれまで何度も見てきた。また同じことが繰り返され、打開策を見いだせないまま試合を終えてしまうのか――。そう思ったのは、何も筆者だけではないはずである。

【次ページ】 それでも彼らがひるまなかった理由とは?

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