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甲子園での経験を糧に
プロで大成する投手たち。
~再評価される大舞台での経験~
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/08/19 08:00
田中将大(楽天)は駒大苫小牧の大黒柱として2005年夏に全国制覇、2006年夏に準優勝を果たす。
スポーツ医学がまだ未発達だった'80年代、肩・肘の故障は投手生命を脅かす最大要因だった。そのため、連投を強いられる甲子園大会の優勝投手は大成できないと言われ、スカウトは目をつけた選手が予選で敗退することを願っていると、まことしやかに囁かれていた。
しかし、スポーツ医学やトレーニング方法が大きく発達した現在、甲子園大会(夏の選手権)に対する考え方が幾分変わってきた。肩・肘の故障が絶対的脅威でなくなったことにより、甲子園での経験が見直されるようになったのだ。
1試合平均3万4000人(昨年)の観客の前で投げることによってプレッシャーをいち早く経験でき、選手によってはその克服法を知ることもできる。何よりも甲子園大会の決勝戦を経験した投手が、その後プロ野球の世界で大成することが多くなった。