なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
永遠に語り継がれる決勝戦になる!!
なでしこの宿敵アメリカの強さと弱さ。
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byNoriko Hayakusa/JMPA
posted2012/08/09 11:50

ロンドン五輪決勝戦は佐々木監督のなでしこ最後の試合。五輪3連覇を目指すアメリカとの対戦成績は日本の1勝5分け22敗。引分けにはPKによる1勝を含んでいる。
脆弱な守備陣を切り裂きセットプレーに持ち込めるか?
ひとつは、守備だ。
アメリカは、日本のように組織で守備をするタイプではない。1対1が強いので、簡単には抜けないが、そこを数的優位を保って突破していくと、日本のスピードについていけず、必ずフリーになる選手が出てくる。そこで仕掛ければファウルでしか止められなくなる。
セットプレーになれば日本のチャンスだ。
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フランス戦でも宮間が質の高いボールを蹴り、相手GKのファンブルを誘って先制点を奪った。スウェーデン遠征でのアメリカ戦でも宮間のCKから、大儀見がヘッドで決めている。
「セットプレーは、今のなでしこの強みになっていると思うので、それをしっかり活かしたい」
と宮間がいうように、アメリカ戦もセットプレーからの得点が、日本にとっては非常に大きなポイントになるだろう。
アメリカで最も警戒すべきは、その圧倒的な攻撃力。
またアメリカは、サイドからの速いクロスに対応できないシーンが多々見られる。
カナダ戦の2点目は、サイドを割られてシンクレアにヘディングを決められた。レイチェル・ビューラー、エイミー・ルペルベットは、マークを外し、もたつくところがあるので、低く速いクロスを中に入れていけば、得点の可能性は広がるだろう。
一方、アメリカの強みは、5試合で14得点を奪った攻撃力だ。とりわけアビー・ワンバックは5得点、アレックス・モーガンは3得点と調子の良さを維持しており、日本にとって大きな脅威になっている。また、カナダ戦で豪快なミドルを決めるなど、調子を上げているメガン・ラピノーも要注意な選手だろう。