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やはりトレード濃厚か「ヨシダは弾き出された…」吉田正尚31歳レッドソックスでなぜ冷遇?「打撃はいい感じ」なのに“負傷者リスト入り”の現実
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/27 11:04

オープン戦後、取材に応じるレッドソックスの吉田正尚(31歳)
今オフ、レッドソックスはFAの目玉の一人だったアレックス・ブレグマン三塁手を獲得したことで、昨季まで三塁手だった生え抜きスターのラファエル・デバースがDHへ。その流れで去年はDHでの出場が多かった吉田が弾き出された形になり、プレー機会を得るためには外野守備につく必要がある。昨年10月、右肩の手術を受けた吉田は現在、守備面ではまだスローイングのリハビリを進める途中にいる。
「彼のスイングは仕上がっているが、肩が大丈夫なのを確認しなければいけない。送球距離は100フィート(約30メートル)まで来た。いつ準備が整うかはわからないが、辛抱強く臨まなければならない」
そう説明したコーラ監督は、復帰の条件として“120フィート(約37メートル)を繰り返し投げられるようになること”と述べていた。まだその段階に辿り着くまでには時間がかかるとすれば、IL行きの判断は仕方なかったのだろう。
肩が回復してもレギュラーの保証はない
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レッドソックスで吉田の立場が微妙になるのは昨秋時点で予想されたことではあった。外野には去年のオールスターでMVPになったジャレン・デュラン、昨季15本塁打と成長したウィリー・アブレイユ、ゴールドグラブ級の守備力を持つセダン・ラファエラがおり、さらにはローマン・アンソニー、クリスチャン・キャンベルといったプロスペクトたちも出番を待っている。DHの争いも厳しくなることは想定内であり、ブレグマンの補強でそこに拍車がかかった。
今後、まずはレッドソックス傘下の3Aウースターでスタートを切る吉田だが、メジャーで守備ができるほどに回復したところでレギュラー的な存在に戻ると決まったわけではない。上記通り、人員は足りており、首脳陣がどのように起用していくかが気になるところだ。
その点に関して、ボストングローブ紙のベテランライター、ピーター・エイブラハム記者はこう分析する。
「マサの役割は復帰時にレッドソックスがどのような状態かによって変わってくる。最良のシナリオは、チームが外野手を必要とする状況になっていること。マサがフェンウェイパークのレフトを守るのに十分な守備力をみせた上で、今春に示してきたように確かな打力を証明する流れがベストケースだろう」