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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
やはりトレード濃厚か「ヨシダは弾き出された…」吉田正尚31歳レッドソックスでなぜ冷遇?「打撃はいい感じ」なのに“負傷者リスト入り”の現実
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/27 11:04

オープン戦後、取材に応じるレッドソックスの吉田正尚(31歳)
ただ一つ確かに思えるのは、今春に示したようなシュアな打力を誇示し続ければ、いずれ何らかの形で機会は訪れるということだ。過去2シーズン、吉田の打率.285、出塁率.343、長打率.433という数字は決して悪くない。そのコンタクトのうまさはメジャーでも通用しており、長いシーズンの中で確実性の高いバットが重宝される場面は出てくるはずだ。
もちろん吉田の方も向上は必須であり、プラスできるとすればやはり2年合計で25本に終わってきた本塁打か。オープン戦では良い角度で打球が上がっていたのは良い兆候だった。
「(メジャーでも本塁打は)打てないとは思っていない。しっかり自分のスイングができれば打てると思いますので、そのベストスイングが数多く打席でできれば自然と増えてくる。あとは自分次第かなと思います」
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問題なく送球ができるくらいまでに右肩を治し、その後に3Aでの20日間のリハビリ期間中に打席を重ねる。パワーもアピールしつつ、あとはチャンスを待つ。長い道のりだが、階段を順調に上がっていくことが不可能だとは思えない。当の吉田は今に近い立ち位置になる可能性があることを理解しつつ、その中で戦い抜くために昨秋、右肩を完治させる手術を受けたのだろうから。
「(守備機会に関しては)具体的なバリエーションも含めてフロント陣、監督の決めること。自分としてはしっかりまず試合で戦えるように。DHだけじゃなく、守備も含めて、ベストで戦える身体をしっかりと作るっていうことは手術前からある程度決まっていたことですので」
メジャー3年目にして最大の試練に直面した吉田は、それでもキャンプでは泰然とそう述べていたのが印象深い。
その自信の根底にあるのは、やはりこれまで“飯のタネ”であり続けてきた自身の打撃力か。美しいスイングと打席内外での辛抱強さがゆえに、今季中盤以降にどのチームに所属することになろうと依然として明るい未来が広がっていると信じることはできるのだろう。
〈つづき→オリオールズ菅野智之編を見る〉
