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あえて増量「三冠ボディ」で復活へ…ヤクルト村上宗隆「過去2年は誰がどう見ても失敗」と言い切る男の“メジャー挑戦前の覚悟”とは

posted2025/03/09 11:05

 
あえて増量「三冠ボディ」で復活へ…ヤクルト村上宗隆「過去2年は誰がどう見ても失敗」と言い切る男の“メジャー挑戦前の覚悟”とは<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

「ラストイヤー」への決意を語った村上。その胸には副キャプテンマークが

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Hideki Sugiyama

ヤクルト・村上宗隆内野手のインタビュー。後編は、悔しい思いで過ごした2年間を経て挑む新シーズンへ、「心技体」の進化について聞いた。今シーズンを日本での“ラストイヤー”と期す主砲が心に抱く決意とは——。〈全2回の2回目/はじめから読む〉

 ユニフォームの左胸には、今シーズンから特別な印が輝いている。キャプテンを示す「C」にバイス(副)を意味する「V」を組み合わせたデザインの「副キャプテンマーク」。2月2日に25歳になったばかりの主砲は、キャプテンの山田哲人とともにチームを引っ張るという新たな使命感に燃えている。

 覚悟を持って歩むラストイヤー。「心技体」それぞれレベルアップしたいところを尋ねると、村上は静かに語り始めた。

過去2年は「誰がどう見ても失敗ですよ」

「心……そうですね。失敗したシーズンをなんとか取り返して、プラスにしたいと思います。やっぱり思うような成績が残せなかった時には何か原因があるので、そこを決して無駄にしないように。何もなかったことにするのではなく、自分でその原因を探って、しっかり反省して、それを糧にして成長することが大事だと思っています」

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 失敗したシーズン——。キッパリと口にした「失敗」の2文字に、強い思いが滲んでいた。

「いや、誰がどう見ても失敗ですよ。三冠王を獲って、その後の2年間、みんなが求められるような数字がなかなか残せなかったわけですから。それは僕の中では失敗です」

 プロ4年目の2021年には自身初の本塁打王のタイトルとともに、セ・リーグMVPを獲得。翌22年は日本人選手最多となる56本塁打を放ち、22歳で史上最年少の三冠王に輝いた。ヤクルトはこの間に、実に29年ぶりとなるリーグ連覇を果たした。とてつもない輝きを放った村上は、名実ともに球界の若きスターになった。

【次ページ】 村上が行き着いた心境とは

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