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「青学大には13分台の有望選手が5人も!」箱根駅伝強豪校の期待の新入生は?…「駒澤大に佐久長聖の13分台の選手が」<一覧リスト付>
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佐藤俊Shun Sato
photograph byKYODO
posted2025/02/27 11:04

都大路のアンカーで佐久長聖2連覇のゴールテープを切った石川浩輝は青学大に
3連覇へ新たなゲームチェンジャーは出てくるか?
青学大は来季、箱根駅伝3連覇を狙うが、チーム編成的にはリスタートのシーズンになる。エースの太田蒼生、鶴川正也、若林宏樹、野村昭夢、白石光星、田中悠登ら主力がごっそり卒業し、戦力ダウンは否めない。最上級生となる黒田朝日らが、4年生としてどれくらいチームを牽引できるか。
また、昨年は過去最強ともいえるスカウティングで優れたルーキーが入学したが、思ったほどの走りを見せることができなかった。山の対策、中間層のレベルアップも含めて課題は山積だが、青学大の凄さはそういう時にとんでもない走りをする選手が出てくるところ。黒田以外のゲームチェンジャーが出てくれば、2025年シーズンも青学大らしい「強い駅伝」を見せてくれるはずだ。
駒澤大は箱根奪回へ勝負のスカウティング
【駒澤大】
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第101回箱根駅伝総合2位の駒澤大は、主将でエースの篠原倖太朗が卒業するが、各学年で2025年シーズンを担う選手が育ってきている。箱根奪回に向けてより戦力を充実させるために、今年は非常に重要なスカウティングになった。
篠和真(佐久長聖・13分55秒79)は、都大路4区4位と好走し、佐久長聖の大会2連覇に貢献した。183cmのすらっとした長身ながら体幹がまったくブレず、安定した走りが特徴的だが、最大の魅力は都大路で「どこの区間でも走れる」と語っていたように、区間を選ばず淡々と走れることだ。これは監督にとっては非常に助かるピースになる。選手層が厚くなりつつある駒澤大で、3大駅伝のメンバー入りは厳しいが、それでもそこに割って入ってくるだけのポテンシャルを持つ。
橋本颯人(洛南・14分01秒63)は、都大路こそ1区29位だったが、京都府高校駅伝では1区区間賞を獲り、10年連続での都大路出場には貢献した。インターハイ5000m決勝は13位で悔しさを噛みしめたが、高校OBの佐藤圭汰の背中を追ってトラックで結果を求めていくことになるだろう。タイムよりも強さが際立つタイプゆえ、ロードも非常に楽しみだ。
長崎の双子兄弟が揃って入学
牟田颯太(鎮西学院・14分02秒52)、牟田凜太(鎮西学院・14分15秒47)の双子兄弟ランナーは、ともに駒澤大の門を叩くことになった。主将としてチームを牽引した颯太は、都大路は1区21位だったが、長崎県高校駅伝では1区区間賞とロードの強さを見せた。高校ではスピードがある弟への劣等感から異なる種目にトライし、3000m障害をメインに活動。インターハイでは8位入賞を果たすなど、タフな走りが持ち味で、将来の目標はプロランナーになることだ。
弟の凜太は、夏に貧血に苦しむも、都大路では7区18位とまずまずの走りを見せるなど、本番に強いタイプ。鎮西学院を兄弟ふたりで全国に導いたように、駒澤大を箱根駅伝優勝に導けるだろうか。