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「はるか頭上に井上がいた」寺地拳四朗が語る“モンスター”井上尚弥への本音…2学年下の怪物との出会い「“これは違う”というくらい強かった」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/06/05 17:05

「はるか頭上に井上がいた」寺地拳四朗が語る“モンスター”井上尚弥への本音…2学年下の怪物との出会い「“これは違う”というくらい強かった」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ライトフライ級の二団体統一チャンピオン・寺地拳四朗。2学年下のモンスター井上尚弥への本音を明かした

 2学年下の井上との出会いは高校時代に遡る。寺地が3年生の夏、インターハイ決勝で1年生だった井上と対戦して敗れた。

「1年生が相手だからいけるやろ、くらいに思ってたら、『これは違う』というくらい強かった。ただ、自分は高校時代、モチベーションがなくて『絶対優勝したい』とかなかったんですよ。負けるともう減量しなくて済むって、ちょっとホッとしてたくらい。だから、負けて悔しかったけど、そこまでショックではなかったかなと思います」

はるか頭上に井上がいた

 大学をへてプロに転じ、ボクシングの楽しさに目覚め、本気度は増した。世界チャンピオンという頂に立ってみると、はるか頭上に井上がいた。自分は自分、井上は井上だ。そう思ってはいても、同じ時代に生きるボクサーとして、ケタ違いの強さを見せる怪物の影響から逃れることはできなかった。

 寺地が具志堅用高の持つ連続防衛記録、V13超えをターゲットに定めたのも、井上という圧倒的な存在と無関係ではあるまい。この状況で自分という存在をどうアピールしていくのか。V13は「それしか選択肢がなかった」という目標だった。

 V9戦で矢吹正道に敗れて夢はついえたが、王座を奪い返してからの寺地は2団体統一を果たし、手に汗握る“名勝負”を連発してファンの支持を高めた。しかし、どれほどがんばっても、井上は先へ、先へと未開の地を切り拓き、2階級で4団体統一の偉業まで達成した。寺地はその姿を半ばあきれるような思いで見つめている。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「超えるのは無理」「戦うことを目指す存在」寺地拳四朗・中谷潤人が語る“モンスター”井上尚弥への本音《同時代チャンピオンの告白》​、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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